秋の展覧会特集4:「国際美術展 TOKYO ATLAS International Art Exhibition」
アートの現在と国際都市・東京が交差する。臨海エリアを舞台にアートが描く地図をたどりながら、東京の新たな風景と未来を発見しよう!
2026.10.1
「国際美術展 TOKYO ATLAS」は、アートを媒介に国際都市・東京ならではの多様な価値観との出会いや交流が生まれるプラットフォームの創出を目指すプロジェクトです。舞台となるのは台場、青海、天王洲の臨海エリア。都市と水辺の環境がダイナミックに響き合う空間で、草間彌生やアブラハム・ポワンシュヴァルをはじめとするアーティストの作品を巡りながらもうひとつの東京地図=ATLASを発見しましょう。
アブラハム・ポワンシュヴァル《La Bouteille》2024、パリでのパフォーマンス風景 Photo by Hafid Lhachmi / ADAGP Paris 2024. Courtesy of Semiose
臨海エリアに国内外のアーティストが集結、東京の新たな風景を描き出す
国際美術展「TOKYO ATLAS」の特色は、アートを美術館などの専用施設に囲い込むのではなく、日常的な都市空間の中に挿入し、街の光景と一体化させることです。「ATLAS」とは世界を支える神話的存在のアトラスに由来し、地図帳を意味する言葉。海に向けて開かれ、国際都市・東京の象徴であると同時に、港湾施設や人口浜、江戸時代の記憶などエリアごとに異なる成り立ちや環境を有する臨海エリアでの美術展は、日常とは異なる東京を巡る新鮮な体験をもたらしてくれること間違いありません。
展覧会は、建畠晢氏と三木あき子氏の2人がアーティスティック・ディレクターを務める。建畠晢氏が台場エリア(台場公園・お台場海浜公園)、天王洲エリア(アイルしながわ)、青海エリア(テレコムセンタービル)を、三木あき子氏が青海エリア(青海南ふ頭公園、青海南ふ頭公園内地下駐車場、東京国際クルーズターミナル、TOKYOミナトリエ)を担当し、世界の第一線で活躍するアーティストの多彩な作品と土地との出会いを創出します。
美術評論家で草間彌生美術館館長の建畠晢氏(左)と、キュレーター、直島新美術館館長の三木あき子氏(右)。
建畠晢氏担当の台場エリアでは、幕末期の砲台の跡地である台場公園、人工の砂浜が広がるお台場海浜公園という異なる歴史と風景を持つ空間に、草間彌生《ナルシスの庭》(1966/2026)、イケムラレイコ《ムーンラビット・ランディング》コンセプト・ドローイング 2026、石毛健太による音響インスタレーション作品などを展示します。散策し、立ち止まり、振り返る。美術館とは異なる作品と場との関係を体験しましょう。
草地や灌木の中に史跡が点在する野趣にあふれた台場公園。
お台場海浜公園の人工砂浜からはレインボーブリッジや夜景が楽しめる。
イケムラレイコ《ムーンラビット・ランディング》コンセプト・ドローイング 2026
イケムラレイコによる高さ6mの巨大彫刻作品がお台場海浜公園沖の水上に設置。
イケムラレイコ©Leiko Ikemura, Photo by María Rúnarsdóttir
天王洲エリアでは、再開発による人工的な構造物と都市のごみ集積場というかつての用途とが混ざり合う場所で、笹岡由梨子による映像インスタレーションや、盛圭太によるインスタレーション作品などを展示。
旧東品川清掃作業所を再活用、運河沿いに位置するアイルしながわ。
笹岡由梨子《タイマツ》2026、Photo by 麥生田兵吾
笹岡由梨子 Photo by S.C. Felix Wong
笹岡由梨子| SASAOKA Yuriko Photo by S.C.Felix Wong
青海エリアで大規模なスケールを有するテレコムセンタービルのアトリウムに、草間彌生による2つのバルーン作品、《ヤヨイちゃん》(2012/2023)と日本初公開となる《宇宙へ行って見た愛の花束》(2021)が登場。この2作品を組み合わせて展示する試みは、世界初。柔らかなバルーン素材は硬質な建築空間と呼応し、アトリウム全体を包み込む祝祭的な空間を生み出します。
臨海副都心のランドマーク的存在のテレコムセンタービル。アトリウムでは上下階を移動しながら多様な視点で作品を体験できる。
草間彌生《宇宙へ行って見た愛の花束》 2021 「Yayoi Kusama: A Retrospective」(グロピウス・バウ、ベルリン、ドイツ、2021)での展示風景 © YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts
草間彌生の幻想的な作品世界が高さ37m、5層吹き抜けのアトリウムに登場。
東京湾の埠頭でパフォーマンスやプロジェクトが展開。多彩なアーティストの現在地に出会える企画も
三木あき子氏による展示は、青海コンテナ埠頭に隣接し、東京国際クルーズターミナルや大井コンテナ埠頭など東京港の国際的な海運を見渡すことのできる青海南ふ頭公園で展開。作家自ら巨大なボトルのなかで生活し、プライバシーや公共空間の在り方を検証するアブラハム・ポワンシュヴァルのパフォーマンス作品《La Bouteille》(2024-)や、東京藝術大学小沢剛研究室らによるヤギの飼育を通して、持続可能な創作や研究、表現の場を探求する《やぎの目》(2020-)といったプロジェクトを予定。国際都市・東京の水辺で、アーティストや参加者たち相互の対話や、人間のみならず動物や植物との共存からオルタナティブな社会実践やこれからのコミュニティの在り方を思索するキャンプサイト、あるいはヴィレッジのような場のイメージが広がります。
青海コンテナ埠頭に隣接する青海南ふ頭公園。大型貨物コンテナや船や飛行機の風景とともに開放的な景色が広がる。
《La Bouteille》2024、パリでの展示風景 Photo by Hafid Lhachmi / ADAGP Paris 2024. Courtesy of Semiose
アブラハム・ポワンシュヴァル | Abraham POINCHEVAL
Photo by Jean-Christophe Lett
現在は利用を休止している青海南ふ頭公園地下駐車場、全長197.5mの空間が特別に展示会場のひとつとして開放。地上の展示と対をなすような、通常は足を踏み入れることの出来ないこの地下空間の特性を活かした展示を予定しています。
面積約7,600㎡。216台収容可能な駐車施設として設置された青海南ふ頭公園地下空間が会場に。
また、関連企画として、東京都がこれまで支援してきたアーティストやキュレーターを紹介し、その活躍を後押しする「座標|Coordinates 」を開催。会場は、天王洲エリアのWHAT MUSEUM。倉庫空間を現代アートや建築との出会いの場へと昇華させたミュージアムを舞台に、多彩なアーティストの活動の軌跡や現在地、多様な視点や実践が集積し、交差することで新たな座標を描き出すことを目指します。
寺田倉庫が運営するWHAT MUSEUM。
TOKYO ATLAS International Art Exhibition
| 期間 | 2026年10月10日(土)~12月20日(日) |
|---|---|
| 場所 | [台場エリア]台場公園・お台場海浜公園 、[青海エリア]テレコムセンタービル、青海南ふ頭公園、地下駐車場(青海南ふ頭公園内)、東京国際クルーズターミナル、TOKYOミナトリエ、[天王洲エリア] アイルしながわ、WHAT MUSEUM |
| 時間 | 10:00~17:00 |
| 休み | 毎週月曜 ※10月12日・11月23日は開場、翌火曜休 |
| 料金 | 無料(一部有料プログラムあり) |
| HP |
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