大都会・東京を、寄り道しながらWaIking!!

大都会・東京を、寄り道しながらWaIking!!

世界104カ国語で読めるウェブマガジン

首都圏お散歩コース

Vol.13

神田神保町古書店街を歩く

a13_image2_img_8765.jpg 江戸時代の貴重な和本が並ぶ「大屋書房」。 a13_image1_img_8690.jpg 古書店街には新刊を扱う大型書店もある。 a13_image5_img_7068.jpg 靖国通り沿いに古書店が軒を連ねる。 a13_image3_img_7088+.jpg 神保町「すずらん通り」には書店や画材店が。 a13_image4_img_7056.jpg 古書店散歩の入口、神保町交差点の象徴的な景色。 a13_image6_img_8632+.jpg 白山通りには歴史ある建物が並ぶ。

前半は知識を広めて感性を豊かにする本、創造力をくすぐる画材や和紙と出会える古本街めぐりを楽しみ、後半は有名な建物を鑑賞しながら歩く。神田・神保町で育まれた文化を堪能するコース

スタート

神保町駅A5口(東京メトロ半蔵門線、都営三田線・新宿線)

ゴール

新宿三丁目駅a3出口(地下鉄丸の内線・地下鉄副都心線)

歩行距離

約2km

歩行時間

約33分

コースの目安時間

約2~3時間

コース順路

  • フォトスポット
  • 歴史がわかるスポット

このコースのレポーター

Yashio (ライター)

プロフィールへ

読書好きにはたまらない古書店街。古本は見始めると止まらなくなるので、ゴールまで到達するにはあらかじめ古本街滞在時間の配分を考えておくと良いかも。

コースガイド

先ずは神保町交差点から専大交差点までの一角で、古本店・新書店が連なる「神保町古書店街」を歩きます。「さくら通り」「すずらん通り」の2つの商店街を通りながら、面白そうな古本店や品揃え豊富な大型書店で気になる本探しを。また、有名な文豪と縁ある文房具店や老舗の和紙の店にも立ち寄りましょう。古本街をひと巡りして神保町交差点に戻ったらコース後半に。ここから白山通りを平川門交差点方向にまっすぐ、両側にある有名な建物を見物ながら歩きましょう。一ツ橋を渡ると白山通り突き当たりの平川門交差点に着くので、平川門を左に見ながら竹橋駅にゴールします。

コースマップ

立ち寄りスポットガイド

❶ 神保町駅A5出口MAP

東京メトロ半蔵門線で渋谷駅から13分・210円、都営新宿線で新宿駅から10分・220円。 東京メトロ半蔵門線と都営三田線・新宿線が乗り入れています。

ホームから上がるとすぐに神保町交差点。

A5出口は靖国通りに面している。

神保町交差点

A5出口を上がると、目の前は神保町交差点。靖国通りと白山通りが交差している大きな交差点で、4つの角には岩波神保町ビル、集英社の看板、廣文館書店、ドラッグストアがあります。
ドラッグストア以外は、かなり以前から変わっておらず、昔から神保町を知る人にはお馴染みの光景です。

現在、ドラッグストアの看板は真っ白に。

昔から変わらない象徴的な景色。

❷ 神田古書店街めぐりMAP

歩道にも本があふれる景色は古書店街ならでは

古本店・書店、出版社が多く集まり、世界一の本の街とも称される神田神保町。歩道には古本が入ったワゴンが並べられ、その中から掘り出し物を見つけられることも。古本店は専門的な店や個性的な店が多くあります。また、新刊を扱う書店は品揃え豊富な大型店が集まっています。その中のいくつかの店舗をご紹介します。

1) 東京堂書店MAP

ふらりと立ち寄る作家も多い人気の大型書店

神保町すずらん通りにある、明治23年(1890)創業の老舗書店。1階は「人間の“未来”を読む」をテーマに、週間ベストセラーや新刊をはじめ、雑誌や児童書、文庫新書がずらり。2階は「人間の“活動”を掴む」をテーマに、社会科学書や自然科学書、芸術書などをラインナップ。3階は「人間の”思考”を辿る」をテーマに、文学、人文科学、地方小出版などの本が並びます。店内は見やすく、とにかく品揃えが豊富。また、各フロアにある特設コーナーも見逃せません。時間が許す限り、ゆっくりと見てまわりたくなる「東京堂書店」。あれもこれもと読みたくなる本が満載で、通販に慣れてしまった人も、書店ならではの良さを再発見できそうです。

ショーウィンドウに並べられた週間ベストセラーに思わず目が止まる。

新刊フェアに合わせたフェアコーナーでは、昭和の女優に関する本が一堂に。

特設コーナーの充実したラインナップに、スタッフたちの情熱を感じる。

3階にあるサイン本コーナー。お気に入りの 作家のサイン本があるかも。

1階のレジ横催事コーナーでは、さまざまなフェアが期間限定で企画されてい る。

東京堂書店

住所

東京都千代田区神田神保町1-17

電話

03-3291-5181

休業

年始

時間

11:00~20:00、土・日曜、祝日11:00~19:00

交通

東京メトロ・都営地下鉄神保町駅A7出口から徒歩3分、JR御茶ノ水駅御茶ノ水橋口から徒歩8分

HP

http://www.tokyodo-web.co.jp/

2)大屋書房MAP

店内に江戸時代の貴重な和本がずらりと並ぶ

駿河台下交差点に建つ、明治15年(1882)創業の古書店。江戸時代に刊行されたあらゆるジャンルの和本、古地図、浮世絵を専門に扱っています。一冊ずつ毛筆でタイトルが書かれた貴重な和本がずらりと並ぶ店内は圧巻で、まるで江戸時代にタイムスリップした気分に。そこにいるだけで歴史を感じる特別な空間は感動的で、新たに和本や浮世絵の魅力を発見できそうです。また、大屋書房が自社出版した、妖怪に関する古書の目録「妖怪カタログ弐」も販売中。妖怪ファンのみならず、江戸時代や日本の文化に興味のある方にもおすすめです。

靖国通り沿いにある古書店。歌舞伎「暫(しばらく)」の浮世絵が目印。

きれいに並べられた古書に歴史とロマンを感じる。

タイトルから、どのような内容か想像していくのも面白い。

美しい浮世絵に目が引かれる。

大屋書房刊「妖怪カタログ弍」は、古書に興味を持つきっかけを作ってくれそう。

大屋書房

住所

千代田区神田神保町1-1

電話

03-3291-0062

休業

日曜、祝日

時間

11:00~18:00

交通

東京メトロ・都営地下鉄神保町駅A7出口から徒歩3分、JR御茶ノ水駅御茶ノ水橋口から徒歩8分

HP

http://ohya-shobo.com

3) ブンケン・ロック・サイドMAP

これぞサブカルチャー古書のワンダーランド!

元々は俳句専門の古本店でしたが、平成元年(1989)にサブカルチャー古書専門にリニューアルしました。音楽、映画、アイドル、アニメ、プロレス関係などの時代を映す多彩な雑誌や古書が店内所狭しとあふれています。来日したアーティストの日本公演パンフレットやフライヤーなども扱っており、こちらはレアな商品とあって海外からの観光客にも人気なのだとか。とにかく品揃えが豊富なので、かつて応援していたアイドルやロックバンドの本、好きだった映画のパンフレット、もう一度読みたかった雑誌など、懐かしく、思い出深い一冊に出会えるかもしれません。

大通りに面した店は、赤い看板が目印に。

ロック系の雑誌やパンフレットが充実。

昭和時代のアイドル写真集も揃う。

懐かしのアニメ雑誌も人気が高い。

わかりやすく陳列され、とても見やすい。

ブンケン・ロック・サイド

住所

東京都千代田区神田神保町2-3

電話

03-3511-8226

休業

年末年始

時間

10:30~19:00 、日曜・祝日11:00~18:30 

交通

東京メトロ・都営地下鉄神保町駅A6出口から徒歩1分

HP

https://bunken-shoin.co.jp

4) Bohemian’s Guild(ボヘミアンズ・ギルド)MAP

大正9年に池袋に開業した夏目書房の神保町店(池袋店は閉店)。1階は美術をメインに写真、建築、映画、哲学などの多彩なジャンルの古本を扱い、2階のギャラリーではさまざまなアーティストの企画展や個展などが行われています。

5) 矢口書店MAP

大正7年(1918)創業の、映画・演劇・演芸・戯曲・シナリオを専門に扱う古書店。木造モルタル造りの建物は雰囲気があり、外壁の側面に設けられた書棚には多彩なジャンルの古本が並んでいます。

❸ 文房堂 神田店(ぶんぽうどう かんだてん)MAP

日本で初めてアーティスト用油絵具を製造、販売

すずらん通りにある、明治治20年(1887)創業の老舗画材店。洋画、日本画、デザイン、コミックなどの画材が豊富に揃っています。特に版材画材料は日本一のラインナップを誇り、版画アーティストたちの強い味方となっています。「文房堂」は日本で初めてアーティスト用の油絵具を製造販売したほか、かつてはオリジナルの原稿用紙も製造販売しており、多くの文豪に愛用されてきました。現在、有島武郎(ありしまたけお)、中原中也(なかはらちゅうや)、横溝正史(よこみぞせいし)御用達の原稿用紙を完全復刻して人気を呼んでいます。他にも文房具屋や雑貨が充実して、お土産やプレゼント選びにおすすめ。また、ギャラリーやカフェ、アートスクールなども運営しています。

歴史ある建物は「千代田区景観町づくり重要物件」に指定されている。

地下1階の売り場では、版画の材料が豊富に取り揃えられている。

雑貨コーナーには、プレゼントにもぴったりな洒落たグッズがいっぱい。

復刻版文房堂原稿用紙の表紙には、文豪の直筆原稿が印刷されている。

人気菓子のパッケージを模した、メモや消しゴムも人気。

文房堂 神田店

住所

東京都千代田区神田神保町1-21-1

電話

03-3291-3442

休業

無休

時間

10:00~18:30 ※6F額縁売場10:00~18:00

交通

都営地下鉄・東京メトロ神保町駅A7・A5出口から徒歩4分、JR御茶ノ水駅御茶ノ水橋口から徒歩7分、東京メトロ新御茶ノ水駅B5出口から徒歩7分

HP

http://www.bumpodo.co.jp/

❹ 山形屋紙店 MAP

色とりどりの和紙に心が躍る

さくら通りにある、明治12年(1879)創業の宮内庁御用達の和紙専門店。店の裏には神田の大火(大正2)、関東大震災 (大正12)、東京空襲(昭和20)にも耐え抜いたという蔵があり、今でも歴史的に貴重な和紙を多く保存しています。店では全国各地で製造される和紙をはじめ和紙製品・小物などを扱っており、中でも人気なのが和紙の貼り絵の富士山がデザインされた絵葉書シリーズです。店主自ら元絵を手がけているオリジナル商品で全100種類以上あり、選ぶのも楽しくなります。その他にも手ぬぐいや古い帯で作ったカバンなど、海外でも喜ばれる和のグッズがいっぱいです。

美しい和紙の数々。アイデア次第でいろいろ使える。

オリジナル富士山絵葉書は、これからも新作が続々登場。一筆書いて、誰かに送りたくなる。

手ぬぐいや和紙のアクセサリーも人気。

古帯で作ったバッグは1点もの。カジュア ルファッションにもマッチする。

店先にも和雑貨が並べられ、つい足を止めたくなる。

山形屋紙店

住所

東京都千代田区神田神保町2-17

電話

03-3263-0801

休業

土・日曜、祝日

時間

10:00~18:00

交通

都営地下鉄・東京メトロ神保町駅A6出口から徒歩2分

HP

https://www.yamagataya-kamiten.co.jp/index.html

❺ 白山通り(はくさんどおり)MAP

歴史ある建物が連なる大通り

白山通りは平川門交差点から千石駅前交差点まで続く道で、今回は神保町交差点から平川門まで歩きます。この通り沿いには、「集英社」や「小学館」といった大手出版社、昭和13年(1938)に建てられかつては音楽関係の公演がよく開催されていた「共立講堂」、昭和3(1928)に建設された「学士会館」、3つのレストランが入る「如水会館(じょすいかいかん)」などの建物が連なっているので、それぞれを鑑賞しながら歩きましょう。

漫画雑誌「少年ジャンプ」でお馴染みの「集英社」。

隣は「小学館」、大手出版社が並ぶ。

「共立講堂」は共立女子大学が有している。

「如水会館」の旧館は大正時代に建設されたが、現在の建物は昭和に新装改築されたもの。

建設当時の面影を残す「学士会館」。再開発事業に伴い、2024年12月末で一時休館となる。

Yashio’s PICK UP

インパクト大の「日本野球発祥の地」モニュメント
現在「学士会館」がある場所は、明治5年(1872)、教師だった米国人のウィルソンが初めて生徒たちに野球を教えたという、日本の野球の始まりの地です。ここに立つモニュメントのボール部分には世界地図が描かれ、米国と日本が縫い目で結ばれています。

❻ 平川門(ひらかわもん)
MAP

江戸時代の面影を残す、江戸城の裏門

白山通りをまっすぐ歩き、一ツ橋を渡ると平川門が見えてきます。江戸城の門の一つに数えられ、今は皇居東御苑の北側にあります。かつては江戸城の裏門として、多くの女中や旗本、商人たちが利用していたと伝えられています。門の前からお濠にかかっている橋は慶長19年(1614)に建築され、その後幾度か改修工事が行われ、昭和になってから再建されたものですが、装飾部分は慶長時代から変わっていません。平川門から皇居東御所に入ることができるので、お散歩の最後にちょっと立ち寄ってみるのもおすすめです。

白山通りを行くと、一ツ橋がある。

一ツ橋をわたると平川門交差点が。

お濠にかかる橋の向こうに平川門がある。

橋の装飾部分は慶長時代から変わらない。

❼ 竹橋駅1b口 GOAL!MAP

東京メトロ東西線で中野駅から19分・210円、大手町駅から2分・180円。 毎日新聞社が入るパレスサイドビルに直結しています。向かいの平川門沿いの出口は1aとなり、そこから駅に入っても。

平川門正面にはパレスサイドビルが建つ。

1b口はパレスサイドビルの地下に直結している。

立ち寄りショップガイド

神田たまごけん 神保町店MAP

究極のふわっ、とろーりに仕上げた卵を、こだわりのチキンライスにかぶせたオムライスが人気のお店。しつこさがなく後味がさっぱりしているので、毎日食べても飽きないおいしさです。

文房堂Gallery CafeMAP

文房堂3階に併設されたカフェ。名画が飾られた落ち着いた雰囲気の空間でゆったりとコーヒーやスイーツ、軽食が楽しめます。すずらん通りが眺められるカウンター席もおすすめです。オープンは11:00から。