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首都圏お散歩コース

Vol.16

渋沢栄一ゆかりの飛鳥山(王子)へ

a16_image1_img_9405.jpg 「お札と切手の博物館」には世界各国のお札も展示。 a16_image2_img_0060.jpg あすかパークレール「アスカルゴ」と東京さくらトラム(都電荒川線)。
a16_image3_img_9411.jpg 飛鳥山公園内にある飛鳥山の歴史が刻まれた石碑。 a16_image4_img_0151.jpg 「紙の博物館」には近代製紙産業発展に活躍した機械が。 a16_image5_img_0103+.jpg 日本経済の父、渋沢栄一の功績の数々にあらためて驚く(「渋沢史料館」)。 a16_image6_img_0123+.jpg 大正時代に建てられた「青淵文庫(せいえんぶんこ)」。

2024/10/20 - 新しい一万円札の顔「渋沢栄一」にゆかりが深い飛鳥山(王子)界隈を歩く。渋沢が暮らした飛鳥山の自然を楽しみながら博物館・史料館をめぐり日本近代化の歴史にふれる。

スタート

JR王子駅(JR京浜東北線)

ゴール

上中里駅(JR京浜東北線)

歩行距離

約2.5km

歩行時間

約35分

コースの目安時間

約3〜5時間

コース順路

  • フォトスポット
  • 歴史がわかるスポット

このコースのレポーター

Yashio (ライター)

プロフィールへ

飛鳥山公園は高低差があり、散策するだけでかなり運動した感じが。また3つの博物館・史料館はどれも見応えがあるので、時間には余裕を持って予定を立てるのがおすすめです。

コースガイド

まず最初に「お札と切手の博物館」を見学し、王子駅方向に戻って「飛鳥山公園」へ。山頂行きのモノレールは約2分程の乗車ですが、王子駅とさくらトラムを見下ろす景色が楽しめます。下車後、園内にはさまざまな石碑や銅像が点在しているので、それらを鑑賞しながら進みましょう。かつて渋沢栄一が主導して製紙会社を王子に設立したことから開館した「紙の博物館」に寄り、次いで「渋沢栄一史料館」へ。日本近代化の歴史を堪能したら、緑が美しい「渋沢庭園」も散策しましょう。飛鳥山公園を後にしたら、風情ある「飛鳥の小径」を通ってゴールの上中里駅まで。明治の偉人、渋沢栄一の偉大な足跡にふれながらコースを歩き終えれば、新しい一万円札の肖像にもさらに敬意と親しみがわいてきます。

コースマップ

立ち寄りスポットガイド

❶ JR王子駅北口MAP

JR京浜東北線で上野駅から12分・180円、東京メトロ南北線で四ツ谷から16分・210円。
東京メトロ南北線王子駅、東京さくらトラム(都電荒川線)王子停留所が隣接しています。お札と切手の博物館へは、北口または中央口の改札を出て向かうとよいでしょう。

JR王子駅メインの改札となる北口の駅前。

JR王子駅の中央口も便利。

❷ お札と切手の博物館MAP

最新のお札の偽造防止技術などを楽しく学べる

1971年に印刷局創立100年を記念して開設された施設で、製造技術に焦点を当てた、お札と切手の歴史を学ぶことができます。1階は偽造防止技術の歴史に関する資料などが展示されており、中でもさまざまな装置を使ってお札に施された3Dホログラムや特殊発光インキ等の偽造防止を確認できる「偽造防止技術体験コーナー」に好奇心がくすぐられます。また、2階では歴代の日本のお札をはじめ、世界の珍しいお札、切手を展示。お札や切手に関する高度な技術やその深い歴史を知ると、普段何気なく手にしているお札や切手の見方が変わってくるかもしれません。なお、2024年12月22日までは特別展「お札の誕生祭〜新しいお札がやってきた!〜」を開催。新しいお札についての興味深い話をいろいろ知ることができます。

2011年に新宿区市ヶ谷から移転。無料で入館できるのがうれしい。

新しいお札の技術やデザインについてわかりやすく展示。

実際にお札に触れて学ぶ「偽造防止技術体験コーナー」。

今とは形が異なる昔のお札。 

新しいお札を形どった特別展の顔出しパネルも人気。

お札と切手の博物館

住所

東京都北区王子1-6-1

電話

03-5390-5194

休業

月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始 ※臨時休館日あり

時間

9:30~17:00

入館料

無料

交通

JR王子駅中央口から徒歩3分、東京メトロ王子駅1番出口から 徒歩3分、東京さくらトラム(都電荒川線)王子駅前停留所から徒歩3分

HP

https://www.npb.go.jp/museum/index.html

❸ 飛鳥山公園MAP

古くから桜の名所として親しまれてきた公園

その歴史は長く、約300年前に八代将軍徳川吉宗(とくがわよしむね)が桜の名所として整備したのが始まりです。多彩な種類の桜のほか、アジサイやツツジなどの花木が多く植えられ、季節ごとに美しい景色を見ることができます。また、園内には遊具が設置された児童エリアや多目的広場、多数の石碑、そして3つの博物館などがあり、見どころ満載。王子駅側の公園入り口から山頂までを走る無料のモノレール「あすかパークレール(アスカルゴ)」も人気です。

パークレール公園入口駅はJR王子駅中央口からすぐ。

2分間のモノレールの旅にワクワク。

春になると公園内は桜の花で包まれる。

ヒノキ造りの野外ステージ「飛鳥舞台」。

あすかパークレール山頂駅前に ある「山頂モニュメント」。

Yashio’s PICK UP

児童エリアに展示された蒸気機関車D51も必見
児童エリアには1943(昭和18)年に製造され、1972(昭和47)年まで走っていた蒸気機関車があり、その重厚感ある車両を間近で楽しめるだけではなく、機関室に自由に入ることができます。また、同エリアには1978(昭和53)年まで荒川線を走っていた車両もあり、こちらも車内が開放されています。レトロな二つの車両はフォトスポットとしてもおすすめです。

飛鳥山公園

住所

東京都北区王子1-1-3

電話

03-5980-9210

交通

JR王子駅中央口か南口から徒歩すぐ、東京さくらトラム(都電荒川線)飛鳥山または王子駅前から徒歩すぐ、東京メトロ王子駅1番出口から徒歩3分

HP

https://www.city.kita.tokyo.jp/jutaku/koen/asukayamapark/index.html

あすかパークレール(アスカルゴ)

時間

10:00~16:00

運休

12月29日〜1月3日、毎月第一木曜10:00〜12:00(7月第一木曜は終日)

❹ 紙の博物館MAP

世界でも有数の紙専門の総合博物館

「紙の歴史をたどり、現在を知り、未来を考える」をコンセプトに、和紙・洋紙に関するさまざまなことを紹介。展示室はフロアごとに「紙と産業」「紙の教室」「和紙と文化」の3つのテーマに分かれ、多くの貴重な資料や機械などを見ることができます。また体験的に紙の基本やリサイクルを学べるなど、子どもから大人まで楽しめます。紙がいかに日本の文化や産業に大きく貢献してきたかがよくわかり、紙の魅力を再発見できる博物館です。

「紙と産業」フロアには近代製紙産業に貢献した貴重な機械等を展示。

「紙の教室」フロアでは小学生も楽しく紙について学べる。

日本の文化を支えてきた和紙のコレクションが並ぶ。

和紙の製造工程を表した和紙の人形。

出入口は建物の2階部分になる。1階には専門図書室が。

紙の博物館

住所

東京都北区王子1-1-3

電話

03-3916-2320

休業

月曜(祝日を除く)、祝日の翌日(土・日曜、祝日は除く)、年末年始、臨時休館あり

時間

10:00~17:00(最終入館16:30)

入館料

大人400円、小・中・高校生200円 ※紙の博物館・北区飛鳥山博物館・渋沢史料館に入館できる3館共通券は大人800円、小・中・高校生320円

交通

JR王子駅南口から徒歩5分、東京メトロ西ヶ原駅から徒歩7分、東京さくらトラム(都電荒川線)飛鳥山停留所から徒歩3分

HP

https://papermuseum.jp/ja/

❺ 渋沢史料館
MAP

近代日本経済の父、渋沢栄一の功績を知る

1840(天保11)年、農業と商業を営む裕福な家に生まれた渋沢栄一は、やがて江戸幕府の役人として働くようになりました。そして、1867(慶応3)年、パリ万博に参列する将軍名代・徳川昭武(とくがわあきたけ)に随行し、フランスへ渡航してヨーロッパの経済の仕組みや産業発展などに触れたことをきっかけに、帰国後は民間の立場から約500もの銀行や株式会社の設立や育成に携わり、近代日本の経済社会の土台作りに貢献しました。渋沢史料館では、渋沢栄一が91年の生涯にわたり行ってきた活動を幅広く紹介。本館では常設で年齢ごとの展示ユニットでその年の功績を見ることができるほか、企画展やイベントも開催されています。また、隣接する「晩香廬(ばんこうろ)」「青淵文庫(せいえんぶんこ)」の内部見学もできます。

かつて渋沢栄一が住んでいた旧渋沢邸跡に建つ。

多くの貴重な資料が見やすく展示されている

天井から吊られた数字が年齢を表している。 

渋沢栄一若かりし頃の肖像写真も展示。

日本銀行から贈呈された記番号「AA000005AA」の新一万円札。

曖依村荘(あいいそんそう)とも呼ばれた渋沢邸の歴史が描かれた壁の下窓に公園の緑が映える。

史料館本館前に広がる「旧渋沢庭園」は無料で散策できる。

晩香廬(ばんこうろ)

渋沢家を訪れる貴賓を迎えた洋風茶室

1917年、渋沢栄一の喜寿(きじゅ)、77歳を記念して清水組(現・清水建設株式会社)から贈呈された洋風茶室で、賓客との談話室として使用されていました。設計は大正時代を代表する建築家・田辺淳吉によるもので、国指定重要文化財です。暖炉をはじめとする調度品や机・長椅子などの家具にも意匠が凝らされ、当時のものを復元したカーテンとロールスクリーンも見どころの一つとなっています。

木造平屋建(もくぞうひらやだて)で屋根には赤い瓦が葺かれている。

当時の雰囲気がそのまま時空を超えて伝わってくる。

天井や照明のディテールの細かさにも圧倒される。

青淵文庫(せいえんぶんこ)

渋沢栄一の雅号(がごう)から名付けられた書庫

1925年、渋沢栄一の傘寿(さんじゅ・80歳)と子爵(ししゃく)昇格を記念して贈呈された、煉瓦及び鉄筋コンクリートの2階建て建築。1階メインルームにはステンドグラスや装飾タイルが施され、その美しさが見る者の目を引きます。渋沢栄一に関する資料や記念品も展示。設計は「晩香廬」と同じく田辺淳吉によるもので、国指定重要文化財です。

書庫として建てられたので全体的に頑丈にできている。

渋沢家の家紋である「柏の葉」をデザインしたステンドグラス。

豪華な造りのメインルームは接客の場として活用された。

渋沢史料館

住所

東京都北区西ケ原2-16-1 

電話

03-3910-0005

休業

月曜(祝日の場合は開館し直後の平日に振替休館)、12月28日〜1月4日

時間

10:00~17:00(最終入館16:30)

入館料

大人300円、小・中・高校生100円 ※紙の博物館・北区飛鳥山博物館・渋沢史料館に入館できる3館共通券は大人800円、小・中・高校生320円

交通

JR王子駅南口から徒歩5分、東京メトロ西ケ原駅から徒歩7分、東京さくらトラム(都電荒川線)飛鳥山停留場から徒歩4分

HP

https://www.shibusawa.or.jp/museum/index.html

渋沢史料館~飛鳥の小径へ

渋沢資料館を見学したら飛鳥山公園を出て本郷通りを左折。すぐ一つ目の角で左折して、左側に飛鳥山公園の緑を見ながら小道を200mほど直進すると、「飛鳥の小径」に突き当たります。

❻ 飛鳥の小径
MAP

アジサイの名所として人気の小径

渋沢庭園飛鳥山公園の北側にある王子駅から上中里駅に続くJRの線路沿いの約350mの小径で、5〜6月頃は多種類のアジサイの花が美しく咲き誇ります。今回のコースではアジサイが咲く通りを過ぎた、道が下り坂になったあたりから合流して歩きます。上中里駅方面へ道なりに進むと線路沿いの遊歩道につながり、金網を挟んで隣に、JRの電車が走る様子を見ながら歩くことができます。

小径は線路沿いにあり、隣を電車が走行している。鉄道好きには絶好のフォトスポット。

飛鳥の小径

交通

JR王子駅 からすぐ。JR上中里駅からすぐ

❼ JR上中里駅MAP

JR京浜東北線で上野駅から11分・170円。
「飛鳥の小径」からの階段を下りるとすぐ右手が上中里駅。改札口は一つです。

「飛鳥の小径」の最終地点となる階段を下りるとすぐ駅に。

JR上中里駅の改札は一つだけ。

立ち寄りショップガイド

飛鳥山公園APRON MARKMAP

公園内にあるカフェレストラン。開放感あふれる居心地の良い空間で、おしゃれな本格洋食メニューがいろいろ楽しめます。小さな子どもも大歓迎。ディナーコースも充実しています。

渋沢×北区 飛鳥山 おみやげ館MAP

飛鳥山公園内にあるショップ。渋沢栄一のオリジナルグッズや食品をはじめ、北区伝統工芸品など魅力あふれる品を豊富に取り揃えています。今話題の新一万円札のグッズも人気です。