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Part17
東京 江戸東京博物館が待望のリニューアルオープン!
2026.7.30
江戸から東京へ歴史と文化の変遷をたどる人気ミュージアムが、さらにステップアップして両国に戻ってきた!
日本の伝統文化を色濃く感じられる両国の人気施設「東京都 江戸東京博物館」が、2026年3月、4年間の休館を経てリニューアルオープンしました。デジタル技術の活用や体験型展示の強化など、これまでの常設展示がさらにパワーアップ。まるでタイムスリップしたかのような感覚で、東京の歴史を楽しく学べます。ここでは、広い館内を効率よくまわれるモデルルートに沿って、見どころをご紹介しましょう。
東京都 江戸東京博物館
施設概要
東京都 江戸東京博物館とは
- 1993年3月、「江戸東京の歴史と文化を振り返り、未来の都市と生活を考える場」を目的として開館。以降、東京を代表する文化施設として人気を博してきました。2022年、約30年の経過を機に大規模改修工事が開始され、2026年3月にリニューアルオープン。改修にあたり世界で活躍する建築家・重松象平(しげまつしょうへい)氏を迎え、開館時に建物の設計をした建築家・菊竹清訓(きくたけきよのり)氏のデザインを踏襲しながら建物内外の空間デザインを再構築しました。約9000㎡の広さを誇る常設展示室は、江戸ゾーン、東京ゾーン、企画展示室の3つで構成されており、徳川家康の江戸入府から現代までの約400年にわたる東京の変遷を貴重な実物資料や復元模型などで紹介しています。
施設データ
- 【住所】東京都墨田区横網1-4-1
- 【電話】03-3626-9974(代表)
- 【時間】9:30〜17:30、土曜9:30〜19:30(最終入館は閉館30分前まで)
- 【休館】月曜(祝日または振替休日の場合は、その翌日)、年末年始
- 【料金】一般800円、65歳以上400円、大学生・大学院生・専門学校生480円、高校生300円、中学生以下無料
- 【交通】JR両国駅西口から徒歩3分・東口から徒歩7分、都営地下鉄両国駅(江戸東京博物館前)A3・A4出口から徒歩1分
- 【HP】https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
東京都 江戸東京博物館を巡るモデルルート
1Fと6F の地図(①②⑤はモデルルートの番号)
❶西側アプローチから館内へ
鳥居をイメージしたモニュメントが新たに登場
今回のリニューアルで、建物の外に2つのモニュメントが新設されました。ひとつは、建物東側となる都営地下鉄両国駅A3出口脇にあるロゴマークをイメージしたもの。そして、もうひとつがJR両国駅西口からメインエントランス(正面口)に向かうアプローチにある、神社の鳥居をイメージしたものです。このモニュメントの内側は現代から江戸へと移り変わる映像が映し出されるモニターになっており、中をくぐって進むことで「現代から江戸へのタイムスリップへ誘う」演出を楽しめます。そんな粋な仕掛けに、入館前から早くも期待に胸がワクワクしてきます。
ここを抜けたら、そのまままっすぐ進み正面入口からエントランスへ。1階には総合案内とチケット売場があるので、当日チケットはこちらで購入します。
5・6階にある常設展示室は1階からエレベーターで上がりますが、その前に総合案内前に広がる土壁を見学。国内外から高く評価される左官職人・久住有生(くすみなおき)氏が手がけた壁は、大きく美しい曲線で江戸から東京への時の流れを表現しており、日本の伝統的な職人技の素晴らしさを再発見できます。土壁に直接触れることはできませんが、壁製作の工程動画と実際に触ることができる見本の壁が展示されているので、そちらもぜひチェックしてみましょう。
映像は、行きは「現代から江戸へ」、帰りは「江戸から現在へ」という演出になっている。
正面口へ続く歩道の天井は伝統的な格子のデザインになっている。
総合案内では、30ヶ国語に対応する翻訳機を導入。マイクで話した言葉が画面に映しだされる。
佐官職人による土壁。現代的な設備と日本の伝統的な建築手法を融合させている。
❷日本橋を渡り、江戸ゾーンへ
日本橋をぐるりと囲む大スクリーンに感動
6階へ上がると目の前に現れるのが、復元された「日本橋」です。そして、橋をぐるりと囲む圧倒的な大スクリーンは、今回のリニューアルにより新たに登場しました。ここには四季折々の時間により変化していく美しい空の映像が流れ、特別な臨場感を味わえます。映像は約30分のものがループされています。
日本橋を渡り、その先の展示室に進みます。6階は江戸ゾーンで「江戸城と町割り」をテーマに、主に武家の様子が紹介されています。当時の町並みや大名屋敷などの様子がわかる精巧な縮尺模型は開館当時から人気ですが、リニューアル後は以前より近い位置から見ることができるようになりました。そのため、これまで気が付かなった細かな部分が見えるようになり、カメラやスマートフォンでの撮影もしやすくなりました。
6階で展示されている「大名の駕籠」は、実際に乗ることができる体験展示となっています。意外と小さく、狭いことから、当時の人が今と比べて小柄だったというのが体感でわかります。このほかにも、「ダルマ自転車」「リンタク」「纏」「棒手振」など実際に乗れたり、触れたりできる展示が展示室各所にあるので、ぜひ体験してみては。
駕籠の体験をして前に進むと見えてくるのが、時計がなかった江戸時代、人々に時刻を知らせるという重要な役割を果たしていた「鐘」。その脇のエスカレーターで5階の展示室に下ります。
巨大スクリーンに囲まれた「日本橋」。左に江戸の「中村座」、右に明治の「服部時計店」が見える。(画像提供:江戸東京博物館)
縮尺模型は、そのディテールのこだわりに驚く。
体験展示の「駕籠」。実際に乗ってみると意外と小さいことがよくわかる。
6階の江戸ゾーンには、江戸城にまつわる展示が並ぶ。
江戸の人々に時を知らせる櫓の上の「鐘」。
5F の地図(③④はモデルルートの番号)
➌江戸庶民の暮らしぶりを体感
江戸っ子たちの気持ちになれる展示が満載
5階の「江戸ゾーン」は、江戸庶民の暮らしが学べる展示になっています。
まず「町の暮らし」をテーマにしたコーナーで、時代劇でもお馴染みの1つの棟を数戸に区切った住居「棟割長屋(むねわりながや)」を見学。復元された主に四畳半の各部屋は当時の生活の様子が再現されています。部屋は押入れなどもなくシンプルでとても狭く感じますが、当時はそこに家族数人で住んでいたそうです。近くには住居人たちが利用した共同トイレも。ほかには、行商人が肩に担いで使用する「棒手振(ぼてふり)」や火事の際に使う「纏(まとい)」、蕎麦屋の屋台などが展示され、当時のリアルな庶民生活を垣間見ることができます。
江戸庶民が住む集合住宅「長屋」の一室。職人が仕事をしている。
「長屋」では子どもたちに読み書きを教える「寺子屋」も行われていた。
実際に担げる「纏」。予想以上に重い。
「蕎麦屋」屋台内には、丼などが上手く収納されている。
印刷物の出版が盛んになった江戸時代の情報伝達と文化の発展が学べる「出版と情報」コーナーでは、復元された「絵草紙屋(えぞうしや)」の店先が展示されています。
また、おいしそうな「寿司」や「天麩羅」の屋台も必見。当時のファストフードともいえる屋台は、人々が集まる場所に設けられることが多かったそうです。屋台の背後にある、歌川広重の錦絵「東都名所 高輪二十六夜待遊興之図(たかなわにじゅうろくやまちゆうきょうのず)」で当時の屋台の様子がうかがえるので、ぜひこちらも併せて鑑賞を。
店内に鮮やかな錦絵がずらりと並ぶ「絵草紙屋」。
屋台の握り寿司は1カンが大きめでボリュームたっぷり。
屋台の天麩羅。天つゆや大根おろしをつけて食べる。
「江戸の四季と盛り場」をテーマにしたコーナーにある「神田明神山車」は、ひときわ目を引く展示物で、その大きさと美しさに圧倒されます。江戸三大祭の一つに数えられ現代も続く神田祭で、江戸末期に使用されていたものを原寸大で復元。明治時代なると通りに電線が引かれるようになり、それに引っかかるということで今ではこのような高さのある山車は消えてしまいました。
約1500体もの人形が配置された縮尺模型「両国橋西詰(りょうごくばしにしずめ)」は、天保の改革前の盛り場の様子を再現。両国橋がかかる隅田川には屋形船やちょき船などが浮かび、橋を渡った西詰の広小路には見世物小屋や屋台などがずらり。まさしく江戸っ子たちの賑わいが手に取るようにわかります。
「芝居と遊里」をテーマにしたコーナーには、6階「日本橋」を渡る時に左側に見えた「芝居小屋・中村座」が原寸大で復元されています。以前から人気だったこの展示は、このたび内部を通り抜けられるようリニューアルされました。
当時の隅田川の賑わいがよくわかる「両国橋西詰」。それぞれの人形もじっくり観察してみよう。
江戸末期に人形師の古川長延よって改修された山車の再現。上には中国の武将・関羽の人形が乗っている。
原寸大の間口11間(約20m)、奥行3間(約5.5m)で復元。演目や役者名などが書かれた看板にも注目。
➍文明開花が始まる東京ゾーンへ
移り変わっていく東京に刺激を受ける
ここから、いよいよ「東京ゾーン」となり、江戸から一気にモダンな雰囲気に。はじめに「日本橋」の右側に見えた「服部時計店」の実物大模型を間近で鑑賞。リニューアル前は「朝野(ちょうや)新聞社」だった模型が、新たに「服部時計店」として新装設置されました。スイスから輸入した時計を使った時計塔が特徴的で、当時は「服部の時計塔」と呼ばれ銀座のランドマークとして親しまれたそうです。
さらに文明開花の様子がわかる縮尺模型の展示が続きます。1872(明治2)年に築地一帯を焼き尽くした大火の後、明治新政府によって火に強い煉瓦造りの建物が次々建設され「銀座煉瓦街(ぎんざれんががい)」が誕生。道路も拡張され、江戸の町並みから一変したことがよくわかります。
1883(明治16)年、欧化政策のシンボルとして建てられた「鹿鳴館(ろくめいかん)」の模型は床下にあり、ガラスの上から見下ろす仕組みに。時間がくると自動的に模型の屋根が動き、華やかな舞踏会の様子が再現されます。ほかにも、神田駿河台に現存する「ニコライ堂」の当時の様子がうかがえる模型も見逃せません。
1984(明治27)年、服部金太郎氏が「朝野新聞社」の社屋を購入して「服部時計店」を開業。
現在の銀座景観と比べたい「銀座煉瓦街」の縮尺模型。
「鹿鳴館」での社交ダンスの様子。西洋文化の影響をダイレクトに感じる。
江戸時代に盛り場であった浅草は、東京になっても繁華街として娯楽が発展。高層展望塔や活動写真館(映画館)が登場しました。「浅草花やしき」は今でも続く人気の遊園地で、江戸時代に植物を見せる庭園として開園しましたが、1885(明治18)年にリニューアルして珍しい動物や見世物も展示するようになり、その当時の門が再現されています。
当時、やはり浅草で大人気だった高層展望塔「凌雲閣(りょううんかく)」は別名「浅草十二階」として知られています。英国人による設計で1890(明治23)年、浅草公園に完成。8階まで行ける日本で初めての電動エレベータも設置されましたが、その後、危険を理由に運転が中止となりました。「凌雲閣」は模型と共に展示されている「凌雲閣機絵双六(りょううんかくからくりえすごろく)」で、中の様子を知ることができます。
明治時代、「浅草花やしき」ではゾウやライオンなどを見ることができた。
浅草のシンボルでもあった「凌雲閣」は、関東大震災で倒壊した。
「凌雲閣機絵双六」は、レンガ部分をめくって塔内部が見える仕組み。
1923(大正12)年に発生した関東大震災で、東京は大きな打撃を受けました。その後、復興事業により東京の都市構造がガラリと変わります。
1923(大正12 )年、震災で被災した路面電車の代替交通手段として運行された乗合自動車「円太郎バス」は、今回、新たに登場しました。日本の乗合バスとして現存する最古の車両は国の重要文化財にも指定されており、貴重な展示品となっています。
関東大震災後の復興集合住宅として、1927~28(昭和2~3)年にかけて建設された鉄筋コンクリート構造の「同潤会代官山アパートメント」も復元。当時の最先端をいく住居は今でも住みたくなるような洒落た空間で、当時の人たちにとっては憧れの的だったと想像できます。
その後、日本は太平洋戦争に突入。「空襲と都民」をテーマにしたコーナーでは、戦争によって変わってしまった都民の生活や凄惨な東京大空襲の様子を物語る貴重な資料と品物が展示されています。これからの平和を守っていくために、この悲しい歴史もしっかりと心に焼き付けていくことは大切だといえるでしょう。
「高度経済成長期の東京」をテーマにしたコーナーでは、戦争で焼け野原となった東京が復興していく様子がわかります。急速に普及した電化製品や1959(昭和34)年に入居が始まった大規模集合住宅「ひばりが丘団地」の当時の部屋の様子も再現され、人々が豊かになっていった時代を見ることができます。
乗合バス「円太郎」は、アメリカのフォード製自動車。
「同潤会代官山アパートメント」室内は畳ながらもモダンな雰囲気。
空襲が本格化する直前の都民の生活がうかがえる展示。爆風によるガラスの散乱を防ぐため窓に紙が貼られ、光が外に漏れないよう電灯にはカバーがかけられていた。
「ひばりが丘団地」の一室を復元。戦時中の部屋と比べて格段に豊かになった室内に、平和の尊さを感じる。
➎常設展示室以外の施設もチェック
図書館やショップは入館料を払わなくても利用可能
「東京都 江戸東京博物館」は、常設展示室以外の施設も充実しています。
7階の図書館では、江戸東京の歴史と文化に関する約29万冊の図書資料を収蔵。今回のリニューアルで、さらに利用しやすく、居心地の良い空間に生まれ変わりました。エレベーター前の「本のひろば」コーナーでは展覧会に関する印刷物を手に取れるほか、小中学生を対象にしたコーナーも新設。入室料は無料です。江戸や東京について何か調べたいものがある時は、ぜひ利用したい施設です。
1階には江戸や東京にまつわるグッズや書籍が並ぶミュージアムショップ「D!G TOKYO」、ドリンクやスイーツ、軽食を楽しめるカフェ「ippuku cafe」、和食や日本発祥の洋食を味わえる「和ダイニング こよみ」が併設されています。
今回のリニューアルで、本を通して対話や交流ができる自由な図書室に生まれ変わった。(画像提供:江戸東京博物館)
ミュージアムショップ「D!G TOKYO」は、お土産探しに立ち寄りたい。(画像提供:江戸東京博物館)
展示を鑑賞した後、ひと息付くのに便利な「ippuku cafe」。(画像提供:江戸東京博物館)
江戸・東京の魅力があふれている「東京都 江戸東京博物館」。常設展示は、何度も足を運びたくなる面白さです。また、1階の特別展示室では随時企画展を開催。現在は、リニューアル記念特別展として、8月23日まで「洋館 明治の夢と挑戦」を開催、9月15日からは「NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」」を開催予定です。なお、こちらの特別展は「常設展示室」とは別に観覧料が必要となります。そのほか、3階「江戸東京ひろば」での映像投影上映をはじめ、ミュージアムトークや体験ワークショップなどのイベントも行われているので、詳しくは公式HPで確認を。
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このツアーのレポーター
Yashio |
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江戸ゾーンでは、まるで江戸の町を散策しているかのような気分になり、東京ゾーンでは時代の変化を駆け抜ける感じが刺激的。充実した展示は、もっと時間をかけてゆっくり見たくなります。訪れるたびに何か新しい発見がありそうで、さっそく私のお気に入りの場所になりました。
東京都 江戸東京博物館
JR両国駅、都営地下鉄両国駅
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