日本のおみやげを訪ねて
Part3
だるま@高橋太一商店
2023.12.25
参拝者で賑わうお大師さま(川崎大師)の仲見世通りで、開運だるまを手に入れる。
だるまは招き猫と並んで古くから親しまれている縁起のいい置きものです。今ではさまざまな素材や容姿、個性豊かでカラフルなだるまを見かけますが、多くのだるまは赤くて丸い形をしています。赤い色は疫病よけに効くともいわれ、丸い形状は何度転んでも起き上がる「七転び八起き」の意味合いから、いつしかあらゆる願いを叶えてくれるマスコット的存在に。今回は、神奈川県川崎市にある川崎大師の名物みやげ「厄除け・開運だるま」を買いに、川崎大師仲見世通りにある高橋太一商店を訪ねました。
川崎大師でだるまが売られるようになった理由とは?
京急大師線川崎大師駅の南改札口を出るとすぐ左手に観光案内センターがあります。周辺の観光案内の冊子を配布しているので情報収集するもよし。厄除門と書かれたアーチをくぐると飲食店やみやげ店が並ぶ表参道商店街。しばらく歩くと川崎大師入口へ導くアーチと、すぐ右手に仲見世と書かれたアーチがあり、そこを抜けるといよいよ大山門へと続く仲見世通りの賑わいに包まれます。だるまは、だるま市や縁日などでも見かけますが、川崎大師で広くだるまが売られるようになったのは江戸時代の頃。疫病が流行していた時にだるまを置いている家が疫病から守られたことが始まりです。今では、関東近辺では、だるまといえば川崎大師が連想されるほどの名物になっています。
山門をモチーフにしたアーチ。老舗蕎麦店を右折するとすぐ仲見世通りにつながる。
仲見世通りには名物の久寿餅や縁起ものを扱う店が軒を連ねる。トントンと小気味よい飴切りの音も楽しい。
初詣には300万人もの参拝客で賑わう全国屈指の名刹。正式な寺名は平間寺(へいけんじ)。毎年12月の特定の日に、だるまのお焚き上げ供養が行われている。
店内には大小さまざまなだるまをはじめ、熊手、招き猫、宝船、お飾りなど、だるま以外の縁起ものが並ぶ。
地域ごとの特色はもちろん、作り手の筆入れひとつで表情が異なるだるま
参拝をすませて、さっそくお店に向かいました。「高橋太一商店」は大山門から歩いて左手の5軒目。迎えてくれたのは2代目の忠之さんと3代目のご主人の奥さま・佐恵さん。店内には大小さまざまなサイズのだるまが、所狭しと並び、だるまの赤に圧倒されます。よく見るとフォルムや表情が異なり、地域ごとに特色があるそうです。たとえば、「鶴亀福入り」と称される高崎だるまは、眉は鶴、髭は亀、お腹には福と描かれ、縁起のいいモチーフ尽くしです。一方、愛知の特製だるまは、眉やひげの鶴亀がデフォルメされて、はっきりとした顔立ち。中に福石が入っていて、振るとカラカラと音が鳴るのが特徴。願いが成る(鳴る)ようにと、思わず音を鳴らしたくなります。
赤いだるまが店内を占めるなか、ひときわキュートな干支だるまはお店のオリジナルです。だるまは一年ごとに納めるのが通説ですが、干支だるまはその必要がなく、毎年揃える楽しみもあり、12年かけてコンプリートする人もいるそう。そしてなんといっても、「これぞだるま!」と思わせる顔立ちの赤いだるまは不動の人気商品です。目入れするプロセスも楽しめ、サイズ展開も豊富で、飾るスペースに応じて選べるのもうれしいところ。手描きのため一つとして同じ顔がなく、どれにしようか迷いますが、佐恵さんいわく「手に取って近くで見るより、陳列棚から少し離れて眺めてみると、パッと気に入った顔が見つけられますよ」とのこと。ぜひ試してみてください!
忠之さんと佐恵さん。仲よく今年と来年の干支だるまを披露。
一度手にしたら、十二支全部のだるまを集める人が多いのだとか。
レポーターSasamo’s おすすめ5選
オリジナル干支だるま(辰)
毎年新たなデザインで登場する干支だるま。凛々しくもかわいらしい表情に加え、背面には青空に舞い上がるような辰の尾が描かれているのもポイント。(小)12cm〜。
2024年ラッキーカラー オリジナルだるま
2024年のラッキーカラー「赤」「ゴールド」「シルバー」の3色で彩られただるま。(小)12cm円〜。
カラーだるま各種
青は健康、ピンクは恋愛、黒は魔除けなど、風水カラーで色分けされただるまは全13色。
好きな色を何色か並べて飾っても。各400円。
特製だるま
福石入りでカラカラ鳴る特製だるま。関東では川崎大師以外で見かけるのは珍しく、大師名物のひとつ。左から2,300円、1,200円、2,000円。
高崎だるま
高さ約9センチの豆サイズ(700円)から高さ75センチ(21号)まで。祈願、名入れなどのオーダーも可能。
住所 | 神奈川県川崎市川崎区大師町4-45 |
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電話 | 044-266-9004 |
休業 | 無休(2014年1月は開閉店時間の延長があり) |
時間 | 9:00〜17:00(2014年1月は平日7:30〜17:00、土日祝7:30〜18:00) |
交通 | 京急大師線川崎大師駅南改札口から徒歩9分 |
HP |
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このみやげのレポーター
Sasamo |
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「だるま」って何?
赤くて丸い形のだるまは、もともとは子どもの玩具でしたが、徐々に商売繁盛、家内安全、厄除などを願う縁起物に。買ったらすぐに、願いを念じながら片目を入れ(黒く塗り)、願いが叶ったらもう一つの片目も入れ、両目が入って満願成就となるというのが定説です。
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写真
M.Suematsu |
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だるま@高橋太一商店
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