招き猫＠開運谷中堂

手招きしている仕草が愛らしい招き猫は、日本に数ある縁起物の中でもとても人気があります。「人を招く」というご利益から、商売繁盛を願って店先に飾られていました。今では形も素材も色もさまざまに進化して、会社や一般家庭でも広く取り入れられています。昔懐かしい寺町界隈にある開運谷中堂は、招き猫を専門に扱うお店。ここに来れば、きっと、お気に入りの招き猫と出会えるはずです。

JR日暮里駅南改札口を出たら、谷中方面へと導く案内板に従って左折します。行き交う電車を眼下にしながら橋を渡ったら、再び左折です。ちなみに、谷中銀座商店   街へ行くには右折が近道。橋を渡ると左手に階段があり、紅葉坂の標識が目に入ります。坂を抜けた突き当たり一帯は墓地が点在する「谷中霊園」。谷中霊園案内図を左に折れると道幅が広くなり、ここが桜の名所、桜通りです。谷中霊園には多くの著名人が眠り、墓地めぐりをする人も見かけます。霊園管理所を過ぎてすぐにあるのが登録有形文化財をリノベーションした花屋「花重」と「cafe&bar花重谷中茶屋」。歴史的建造物を右折すると三崎坂。４分ほどで『開運谷中堂』に到着です。

築90年の古民家を改装した店内には縁起物の「招き猫」がずらりと並び、そのほとんどがオリジナル商品です。素材は陶磁器の代名詞「せともの」に由来する瀬戸焼で、招き猫の型はお店のオリジナル。小物感覚で楽しめる、かわいらしい手のひらサイズが主流です。デザイナーが一つ一つ手描きで絵付けしているため、どれ一つとして同じものがありません。「ふと、目が合った子を選ぶ人。じっくり時間をかけて相棒を探す人。選び方は人それぞれです」と、店主の浅野さん。少しの筆入れだけで、表情がそれぞれ異なる招き猫をあれこれ見ていると、時間が経つのを忘れてしまいそうになります。

お店に並ぶ招き猫は定番ものや季節にちなんだもの、風水カラーを取り入れたものなど、多彩です。一般的に右手でお金、左手で人を招くと言われていますが、どちらにしようか迷ったら右手と左手が一対になった「白黒ペア招き猫」がおすすめ。また、愛猫の写真から型を起こして緻密な彩色で仕上げるオーダーメイド「マイ招き猫」も人気です。軒先で出迎えてくれる「箱座りのとらねこ」と「ごろ寝の子猫」は、猫好きスタッフの考案で設置されたもの。これらの看板猫もちゃんと販売しています。