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Interview / クローズアップ東京人

Vol.4 後半

日本お茶漬け協会会長

もちづき もちこさん

2025.9.10

もちづきさんのHP用に撮影した写真。〈Phot by石田ダダ〉

ベストな素材を組み合わせて、最強のお茶漬けを完成させる予定です。

── これまで、250種のインスタント茶漬けを食べたそうですが、その中で、気に入った物を教えていただけますか。

もちづき:もともと情報収集が好きなマニアック気質なこともあり、自分で働いてお金を稼ぐようになってから、全国各地のインスタントお茶漬けを集めて食べるようになりました。東京にある地方のアンテナショップにもよく行き、ご当地茶漬けをどんどん集めているうちに、気が付いたら250種類になっていました。全部実食して各レビューをHPやSNSにあげています。
衝撃を受けたのは、佐賀県呼子の朝市にある「木屋」の「鯛の生茶漬け」です。瓶の中に、鯛の刺身と、漬けだれと、ごまとわさびの茎が入っているのですが、ご飯にのせて湯をかけるだけで美味しく食べれる。これが今のところNo1です。最近、うれしいことに、木屋さんから、ECサイト商品紹介欄へのコメントのリクエストいただいき、現在、私のコメントが載っています。
もう一つのお気に入りは「AKOMEYA TOKYO」が新潟県の老舗干物店「加島屋」とコラボして完成させたフリーズドライの出汁茶漬けです。たらこ味とさけ味があり、いずれも超簡単に作れてめっちゃ美味しいです。

佐賀県呼子の「木屋の鯛の生茶漬け」。

「AKOMEYA TOKYO」と加島屋がコラボしたお茶漬け。

── インスタント茶漬けの収集だけでなく、実際に日本全国を旅して、各地のお茶漬け屋も食べ歩いているそうですね。

もちづき:お茶漬け専門店はまだ少ないですが、地の物を使ったお茶漬けを出しているお店は各地にあります。年1回、「お茶漬け行脚」と称して、エリアを限定しておいしいお茶漬けを食べに行っています。2025年は四国エリアのお茶漬け行脚をしまして、愛媛県の「松山鯛飯(宇和島鯛めし)」と、高知県の「かつお茶漬け」が絶品でした。
毎年のお茶漬け行脚で取材したことを元に、書籍を作って出版しています。お茶漬けは、みんなが知っている食べ物ですが、深堀りすると知られていないことがたくさんあります。実際、温かいお茶漬けは知っているけど、冷たいお茶漬けを知っている人は少ないですよね。そういった未知のお茶漬け情報を、私が媒介者となって書籍で伝えていきたいと思っています。書籍は、年2回8月と12月に開催されるコミックマーケット(コミケ)の「評論・情報系」という分野で出展して販売しています。

── これまで11冊ものお茶漬けの書籍を出版しているそうですが、主にコミックマートで販売するのはなぜですか。

もちづき:A5版で最大で50ページぐらいのお茶漬けに関する書籍を出しています。たくさんの人が来場するコミックマーケットでは、1回の出展で200冊ぐらいは売れます。対面販売なので、直に読者の反応を見ることができます。目の前でやりとりした人が「この本、面白いですね」と言って買ってくれたときの喜びは大きいです。在庫がなくなれば終了なので、書店や通販で販売するよりもずっと気軽です。

── 今後、お茶漬けに関しては、どのような活動をされていく予定ですか?

もちづき:以前からの目標だった「TBSの『マツコの知らない世界』に出演すること」は、2024年7月に実現しました。もう一つの目標は「グルメ雑誌『dancyu(ダンチュウ)』のお茶漬け特集にで取り上げられること」ですが、こちらも実現するよう努力していきます。
「日本お茶漬け協会会長・もちづきもちこ」のお茶漬けブランドも作りたいですね。以前から、お茶漬けの構成材料である、お茶、海苔、梅干し、ご飯について何種類もの異なる商品を検証して、お茶漬けを最も美味しくしてくれる各商品を選びだすという作業を進めています。最後に、美味しさNo.1に選ばれた各素材を組み合わせて、最強のお茶漬けを作ろうという企画です。2026年には、その最強お茶漬けが決定する予定で、今からわくわくしています。そんな試みを続けながら、自分のお茶漬けをブランド化できたらいいと思います。
究極の目標は、「お茶漬けといえばこの人」と日本中から認知されることです。お茶漬けの探求は自分でやりたくてやっていますが、周囲には少し奇異に見えるようでよく心配されます。でも、今は、お茶漬けへの探求心を止めることはできません。お茶漬けは、まさに私の“最押し”ですから(笑)。

もちづきもちこのお茶漬けレッスン
「温かいお茶漬け」と「冷たいお茶漬け」を作ろう!

インタビュー後、もちづきさんに「温かいお茶漬け」と「冷たいお茶漬け」の基本的な作り方を教えていただきました。出汁を使わないので超簡単、とても美味しいレシピです。作り方は、この後に掲載している「メッセージビデオ」でも紹介しているので、ぜひトライしてみてください。

温かいお茶漬け〈梅干茶漬け〉
材料
:ご飯、梅干し、煎茶、藻塩、刻み海苔、あられ
作り方:温かいご飯を茶碗に盛り、刻み海苔、あられ、梅干しを乗せる。そこに温かい煎茶を注ぎ、お好みで藻塩を入れて完成。
冷たいお茶漬け〈わさび鰹節茶漬け〉
材料:ご飯、わさび、鰹節・麦茶、刻みねぎ
作り方:ざるで水洗いしたご飯を茶碗に盛り、鰹節、刻みねぎ、すりおろしわさび(チューブわさびでも可)を乗せる。そこに冷たい麦茶を注いで完成。

もちづきもちこの お茶漬けレッスン(ビデオ編)

もちづきもちこの 東京さんぽ

もちづきさんが大学3年から2年間通った吉本興業のスタッフ養成所は、「神保町よしもと漫才劇場」を教室としていました。そのため、神保町は、東京の都心を、暮らしの中心で初めて体験した場所でした。横浜の郊外で生まれ育ったもちづきさんにとって、古書店が連なる歴史ある佇まい、安くて美味しい食べ物屋さん、レトロなカフェなど、神保町は刺激な街でした。大学卒業後、テレビ番組制作会社のADに就職してからは、お笑いのライブ劇場がある新宿が仕事場になりました。新宿は、5年間通って一生懸命仕事をした思い出深い街であり、またお茶漬けマニアとしては見逃せない、美味しいお茶漬け店が競業するお茶漬け激戦区でもあります。今回は、大好きな街、神保町と新宿から、各1軒ずつ、おすすめのお店をあげてくれました。

神保町ラドリオHP

1949年開店の神田古書店街の喫茶店。日本で初めてウィンナ・コーヒーを出した店でもある。「この店の一人席で、ランプの光の下、物を考えたり、文章を書くのがお気に入りの時間でした。今でも頭の中が煮詰まったときに一人席に座りに行きます。」

ラドリオ名物のウィンナーコーヒー(もちづきさんのSNSから)。

御苑茶屋ZUZU 新宿御苑前店MAP

新宿御苑の目の前にある釜飯のお店。おすすめは、厳選された食材を用いた「釜めし茶漬け」。釜めしの炊き出汁とお茶漬けのお出汁は、築地の名店”和田久の特削り”と日高見昆布の2等を使用。釜めしを食べた後に、薬味で味を変え出汁茶漬けで締める。

御苑茶屋ZUZUの「釜めし茶漬け」(もちづきさんのSNSから)。

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インタビューと文

Wakako

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「AKOMEYA TOKYO」の新作お茶漬け発表会で、ゲストとして登壇していたもちづきさんに初めて出会い、お茶漬けというニッチな食べ物をこれほどにも大きな熱量で探求している若い女性がいることに驚きました。今回のインタビューでは、知らなかったお茶漬けの世界を垣間見ることができました。最近、我が家の朝食には、もちづきさん直伝のお茶漬けがよく登場します。お茶漬けのマイブームが、しばらく続きそう!

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