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品川区寺田倉庫のWHAT MUSEUMにて、8組の建築家による展覧会「波板と珊瑚礁 - 建築を遠くに投げる八の実践」が開催中。さまざまな作品から、気鋭建築家たちの思考や哲学が見えてくる!

2026.4.27

ただ今、寺田倉庫(株)が運営する、現代アートと建築のミュージアム「WHAT MUSEUM」にて「波板と珊瑚礁 - 建築を遠くに投げる八の実践」展が開催中です。このタイトルは、身近で人工的な建築素材である「波板」と長い時間をかけて形成される自然の構造物である「珊瑚礁」、この二つの性質の異なる存在を合わせたもので、それぞれの時間やスケール、生成の速度が交差しながら共存する状態という意味が込められています。そしてそれは、情報技術の進化、気候変動、戦争などを背景に大きく揺れ動いていく社会の中で、建築の分野でもまた目の前の課題への即答と共に時間や場所を超えた長期的な視点で構想する重要性が求められているということが原点となっています。

本展では、国内外で活躍する新進気鋭の建築家8組の模型が展示されています。しかし、模型といってもそのスタイルは実に多様。それらは建物の完成像を示すものではなく、各建築家たちの思考や想像、哲学を立体化しています。身近な素材や構造物を手がかりに、広い視野で建築を捉え直したという試みがうかがえる作品の数々はどれも魅力的です。8組の作品をご紹介しましょう。

RUI Architects
「Prop」

街のなかにあるもの同士の配置や関係性を見つめたという作品。会場には5枚の模型写真とテキスト、それに対応する5つの模型が展示されています。作者が実際にWHAT MUSEUM近くの街を歩き、気になった場を模型にしたのだそう。いつも見ている街も、視点を変えてみるとまた違った風景や物語と出会えることに気付かされます。

Photo by Keizo KIOKU
展示室に生まれた小さな模型の街。

模型はあらゆる角度から見てみたくなる。

DOMINO ARCHITECTS
「PULP FICTION(jetway)」

空港の建物から航空機に渡る搭乗橋を10分の1に縮尺して4つ連結した作品で、出入口がなく回廊状態になっているのが特徴です。一度中に入ったらぐるぐると回るしかない搭乗橋は空想上のものですが、細部まで作り込まれてとてもリアル。「もし、この中に迷い込んだらどうしよう」と思わず想像してしまいます。

Photo by Keizo KIOKU
一度迷い込んだら出られなくなる登場橋。そのディテールに感動。

GROUP
「都市と眠り」映像:稲田禎洋

「都市のなかで人が眠ることができる場所」に着目したという作品は、3Dプリントによる模型やLEDディスプレイ、映像などを組み合わせて構成されています。モデルとなった街は「渋谷」。展示室に足を踏み入れると最初に目にとまる、ファストフードのテーブルの模型が印象的です。

模型からファストフードで眠くなった記憶が蘇る。

Photo by Keizo KIOKU
ベッドを模したディスプレイが置かれている。

Office Yuasa
「闇、遅れた微光」

展示場の壁、椅子、机、本などには、光をためて暗がりでほのかに光るという特殊な塗料が塗られており、来場者が点灯の後に消灯をすると、そこに微かな光が残って人がいた気配が感じられるというユニークな作品。光を通して、微妙な空間の変化を体感できます。

来場者は自由に机に座り点灯、消灯できる。

Photo by Keizo KIOKU
消灯後に浮かび上がる残像。

畠山鉄生+吉野太基+アーキペラゴアーキテクツスタジオ
「What is ◯△⬜︎?」

誰もが知っている、円・三角・四角という図形を見つめ直し「物の形とはなにか」を新ためて考えた作品。ここでの図形は、見る人や状況によって変わるものとして扱われています。それぞれの形が印象的な姿となって、私たちに何を語りかけてくるのか。慣れ親しんだ図形の魅力を発見できそうです。

Photo by Keizo KIOKU
普段、何気なく目にしている図形が個性を主張する。

ガラージュ
「ほどかれた結界」

線や棒によってゆるやかに区切られた空間は、その場がどのようにつくられ、そこに誰がどう関わるかがテーマとなっています。完成した作品を運び込んだのではなく、展示場そのものが作業場として使われた証に、床には材料や工具がそのまま残されているのにも注目。線を触るとゆらゆら揺れる空間は、絶えず変化する即興的な面白さがあります。

Photo by Keizo KIOKU
不安定な半円球の土台に立った棒を触ると線が揺れて景色が変わる。

ALTEMY + risa kagami
「往還する身体」

渋谷の路上とWHAT MUSEUM内の廊下、そして展示室という異なる場所にいる人々の姿を、リアルタイムに3Dの空間へ立ち上げた作品。自分の身体が他の場所にいる人たちと一緒に「固有性ある実体」となり、同時に環境の一部となっていく不思議な体験ができます。

展示場外にあるモニターに各場所にいる人々のデータが映される。

Photo by Keizo KIOKU
暗い展示場内の薄いスクリーンに人影が映る。

平野利樹
「東京箱庭計画」

砂の入った箱の中にミニチュアの玩具などを自由に配置し、自分の心の世界を表現する心理療法「箱庭療法」の手法を用いた作品。作者が造った箱庭を3Dでスキャンして、さらに生成AIで変換することで作者の無意識を物質化し、予想できない風景を作り出しています。来場者が箱庭を体験できるコーナーもあります。

作った人の心の世界が表現されるという「箱庭」。

Photo by Keizo KIOKU
「箱庭」が生成AIにより新しい風景に生まれ変わる。

展示場は、2階から指示された順路通りに進むのがおすすめです。模型や映像などを見るだけではなく、その空間に入り込んでモノに触れたり、体感したり、驚きと感動の時間を過ごせます。「建築模型」というイメージを覆し、建築の世界の自由さに気付かされる「波板と珊瑚礁 - 建築を遠くに投げる八の実践」。ぜひ、会場に足を運んでみてください。

「波板と珊瑚礁 - 建築を遠くに投げる八の実践」に出展しているメンバーが集合。

波板と珊瑚礁 - 建築を遠くに投げる八の実践

場所

WHAT MUSEUM

住所

東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号MAP

期間

2026年9月13日(日)まで

休館

月曜日(祝日の場合、翌火曜)※5/4(月・祝)、5/5(火・祝)は開館

時間

11:00〜18:00(最終入館17:00)

料金

一般1500円、大学生・専門学生800円、高校生以下無料 ※日時指定オンラインチケットは200円引き(他割引との併用不可)

交通

りんかい線天王洲アイル駅B出口から徒歩4分、東京モノレール天王洲アイル駅中央口から徒歩5分

HP

https://what.warehouseofart.org/exhibitions/corrugatedcoral/

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