日本のおみやげを訪ねて
Part11
祭り用品@浅草中屋 本店
2024.10.7
祭り衣装として定着した江戸の職人スタイルを専門店で揃えよう
涼しげな浴衣姿をたくさん見かけた夏祭りのシーズンが終わると、いよいよ秋の到来。実りの秋ともいわれるこの時期、収穫への感謝と翌年の豊作を祈願して、あちらこちらで大小さまざまな秋祭りが行われます。なかでも町を練り歩く神輿は神様の乗り物で、祭りの主役。江戸の華とも称えられています。また、神輿の担ぎ手をはじめ、神輿のまわりに群れる人々の祭り装束も魅力的です。今回は、祭りの衣装から履きものや小物まで、祭りに関するものがなんでも揃う専門店「浅草中屋」を訪ねました。
観光客で賑わう浅草で2店舗を構える「浅草中屋」
浅草に2店舗を構える「浅草中屋」。仲見世商店街と新仲見世商店街の交差点からほど近くにある仲見世店には多彩な浅草みやげが揃い、国内外の観光客で賑わっています。一方、浅草寺と浅草神社の目の前に位置する本店は、「祭りのことなら何でも揃う」をモットーにした商品構成で、祭り衣装を買い求める人がひっきりなしです。
お店の出入り口前にある弁天堂。鐘突き堂とも呼ばれている。
一年を通して観光客で賑わう浅草寺、浅草神社も目の前。
三社祭の地、浅草に根づいた祭り用品専門店
1910年創業の「浅草中屋」は、ベビー洋品店として開業。今も本店の従業員口に当時の表札がそのまま残っています。三社祭(さんじゃまつり)を筆頭に祭り事が盛んな浅草という地で、祭りに関連する商品を扱い始めたところいつしか評判になり、現在は祭り用品専門店として、自社ブランドから注文品まで幅広いアイテムを展開しています。
千社札型の看板が目印。
アイテム別に見やすく陳列されている。
祭り衣装やファッションに進化した江戸の職人のスタイル
広い店内には祭り衣装が種類別にわかりやすく陳列され、それぞれの用途や着用方法などは専門スタッフが親切に教えてくれます。たとえば、袢天(はんてん)は神輿担ぎに欠かせないユニフォームのような役割があり、祭りの町会や主催によって指定されることが多いそう。鯉口(こいぐち)は七分袖で袖口が鯉の口のようにすぼまっているもので、柄ものが多く、毎年、お店オリジナルの新柄が登場します。
祭り衣装のイメージが強い袢天や鯉口ですが、本来は火消しや鳶職など、江戸の職人から始まったスタイルで、火消しにも種類があり、それぞれ格好が異なったといいます。今では人力車のスタッフや飲食店のスタッフなどにも愛用されて親しまれています。それが目にとまり、お店に買い求めにくる海外旅行者もいるとか。「アイテムによって異なりますが、子供用、大人用ともに幅広いサイズ展開で提供できるのも専門店ならでは」と話す中川岳士(たけし)さん(中屋を経営する中川株式会社取締役)。
2024年の新柄の鯉口シャツ「やきとり」。シャツと共布の股引きもある。
キッズの祭り衣装のラインナップも豊富。1〜2歳用から揃う。
「祭りの衣装は洋服の仕立てと異なるため、サイズやフィット感を確かめる意味でも、ご試着をおすすめします」と、中川さん。
祭りファッションを引き立てる小物からペット用の祭り衣装まで
足袋、雪駄、わらじなど、祭り衣装に欠かせない履きものもバリエーション豊富に揃っています。「地下足袋は”忍者シューズ”の呼び名で外国人観光客にとても人気があります」と、中川さん。日本古来のアイテム、地下足袋ですが、現在では、ソールにクッションを入れた中屋オリジナル地下足袋や、ハイテクスニーカーのようなエアー入りのものなどの進化版も登場しています。さらに、巾着や扇子、手ぬぐい、根付や木札など、祭り衣装を引き立てる小物も充実。ペットの犬用の袢天や鯉口シャツなどはお祭り好きの愛犬家に好評です。
履きものの種類も豊富。試し履きもできる。
ワンちゃんと一緒にお祭り気分が楽しめる。
「浅草中屋」では、各地で開催されるお祭りの会場や日時がチェックできるサイト「いい祭りニッポン」も運営。地元浅草はもとより、日本全国の祭りを応援し、地域貢献にも力を注いでいます。神輿はもちろん、お祭りはその瞬間、その場所ならではの特別なイベントです。お気に入りの祭り衣装を揃えたら、さっそく秋祭りに出かけてみてはいかがでしょうか。
レポーターSasamo‘s おみやげにおすすめの祭り用品5選
袢天「十番 総柄 睦(むつみ)(菊/濃紺)」
菊菱(きくびし)総柄に黒字で「睦(むつみ)」の背紋を配した定番の祭り袢天。睦(むつみ)には、町内、家族みんな仲睦まじくという意味がある。綿100%。1万3750円
帯各種
上から、染角帯・瓢箪(ひょうたん)5830円、友禅染の角帯(風神雷神、龍)各5280円。袢天に巻く角帯は男着物にも使える。
鯉口シャツ「やきとり」
ポップな色合いと柔らかいタッチの焼き鳥のイラストが印象的な新柄。ピンク、水色、ベージュの3色。サイズは子供(1号)から大人(巾広)まで。価格はサイズによって異なる。
エアージョグV
後足部にエアーバックを搭載した人気の地下足袋は、着物やタウンユースにコーディネートしてもいい。白、黒、藍の3色。(22.5〜31cm)
中屋オリジナル 祭りポシェット各種
お店オリジナルの注染(ちゅうせん)の生地で仕立てたファスナー付きポシェット。小ポケットもあり、便利。各1650円。同生地の手ぬぐいなどもある。
浅草中屋 本店
住所 | 東京都台東区浅草2-2-12 |
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電話 | 03-3841-7877 ※電話受付10:00~17:30 |
休業 | 無休 |
時間 | 10:00~18:30 |
交通 | 東京メトロ・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス浅草駅から徒歩5分、都営地下鉄浅草駅から徒歩7分 |
HP |
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このみやげのレポーター
Sasamo |
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祭り衣装とは?
江戸の町火消し(まちびけし)や鳶職人のスタイルに始まって進化した祭り衣装には日本古来の様式美が凝縮されています。祭り衣装を粋に着こなす神輿担ぎの面々は江戸の祭りの花形。ちなみに、神輿担ぎに参加するには町会や主催によって条件が異なります。袢天の貸与をしているところもあるので各町会等に確認するといいでしょう。
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写真
M.Suematsu |
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祭り用品@浅草中屋 本店
東京メトロほか浅草駅から徒歩5分、都営地下鉄浅草駅から徒歩7分
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