日本のおみやげを訪ねて
Part4
風呂敷(ふろしき)@むす美東京店(むすびとうきょうてん)
2023.12.25
日本人の暮らしの知恵と美意識が詰まった風呂敷を探しに原宿の街へ
贈り物を包んで持参したり、日常の持ち物をまとめたり。風呂敷は、日本人の暮らしに寄り添ってきたアイテムです。使用しないときは畳んで引き出しにしまい、繰り返し使用できる。シンプルでエコなライフタイルが見直される中、国内外で風呂敷への注目が高まっています。外国からの旅行者も多い原宿にある、風呂敷専門店「むす美(むすび)東京店」を訪ねました。
ファッションやトレンドの発信地・原宿。表通りから入ったエリアの店舗へ
JR原宿駅竹下口を出て「竹下通り」のゲートをくぐります。常に人出が多い場所なので、移動時間を多めに見積もるといいでしょう。竹下通りの出口に面する明治通りを渡り、左に進むと歩道橋が見えてきます。すぐの交差点を右に曲がり、信号を渡って進んだ道の左手に見えてくるコンクリート打ちっぱなしの建物の1階が「むす美(むすび)東京店」です。
JR原宿駅竹下口。道路を渡ってすぐが竹下通りの入口。
通りに面したガラス張りの明るい店舗が「むす美東京店(むすびとうきょうてん)」。
和の色柄や北欧のデザインも。さまざまな暮らしのシーンでの使い方も提案
「むす美(むすび)東京店」は京都の風呂敷メーカーの山田繊維株式会社のオフィシャルショップ。「包み布の文化は日本以外にもありますが、風呂敷のように実用性やデザイン性に富み、作法まで備えているものは例を見ません」(同社広報の山田悦子さん)。「むす美」では、伝統的な和の配色や文様はもちろん、人気ブランド「ミナ ペルホネン」とのコラボや、型染作家やテキスタイルデザイナーのシリーズなどさまざまな風呂敷に出会えます。また、ギフトラッピングや風呂敷で作るバッグなどをディスプレイし、現代のライススタイルに即した使い方を提案。これまで風呂敷に縁がなかった人もこの素敵な布=風呂敷を身近に持ちたい、使ってみたいという気持ちになります。
壁面いっぱいにディスプレイされた風呂敷をゆっくりと選べる。
ラッピングや季節に合わせたディスプレイのコーナーも。
スタッフの古結希(こげつ のぞみ)さん。「外国の方には風呂敷を使ったバッグが特に人気です」。
風呂敷の使い方のパンフレット。日本語・中国語・英語・フランス語がある。
基本の「真結び(まむすび)」で日常使いが楽しく。店頭ワークショップにも注目
風呂敷を使い慣れていない人が悩むのが「形を整えて包めない」「きれいに結べない」という問題。そこで、スタッフの古結希(こげつ のぞみ)さんに基本の「真結び(まむすび)」を教えてもらいました。ランチボックスを中央に置き、見せたい柄を上にして布を重ねたら順を守って左右の端を結びます。しっかり結べて見た目もきれい。中身が安定するので本などを重ねて包むときも安心です。「むす美(むすび)」では定期的に店頭ワークショップを開催し、ベーシックな結び方・包み方やラッピング、アウトドアや防災などライフハックに役立つコースもあります。詳細や申し込みはHPで。
風呂敷を菱形に広げた中央にランチボックスを置き、手前と向こうの角を順にかぶせたら両サイドを持つ。
右端を後ろにして交差させ、左端に巻きつけるように前に倒してから左端の下をくぐらせ後ろへ。
左端を左側に倒した上に右端にかぶせ、できた輪の下から右端を通す。
両端を引っ張れば完成。
「むす美」では基本の結び方を動画チャンネルで紹介しています。詳細は「真結び」の結び方・解き方/「ひとつ結び」の結び方を。参考にしてみてください。
ランチタイムに、街歩きのバッグに。素材のバリエーションも豊富に揃う
「むす美(むすび)」ではふろしきのサイズをS(約45~50cm) 、M(約68~70cm)、L(約90~120cm)の大きく3つに分類。SやMはものを包むのに、Lはインテリアクロスとして使用したり、結び方次第でさまざまなバッグにしたりすることもできます。他に着物などを包むXLサイズ(130cm~)も。素材も進化し、従来の絹や綿だけではなく、リネンやSDGsの時代に即したオーガニックコットンやリサイクルポリエステル使用のものも。撥水加工風呂敷は雨の日はもちろん、アウトドアでも活躍します。
レポーターMotoko‘s 風呂敷 5選
COCHAEシリーズ
デザインユニットCOCHAEとコラボしたシリーズからランチボックスなどを包む時はお好みでどちらかを上に。綿100%、Sサイズ(約48cm)、990円。
光悦ちりめん友禅
風呂敷の右下に描かれた蓮の花が華やかで、手みやげの持参にぴったり。正絹の趣ですが、家庭で洗濯できるポリエステル素材。Mサイズ(約70cm)、4180円。
三巾 伊砂文様 両面 ‘結’(みはば いさもんよう りょうめん ‘ゆい’)
型絵染の伝統技法をベースにした吉祥文様のシリーズで、藍色と橙色のリバーシブル。モダンなインテリアにも相性のいい色柄。Lサイズ(約104cm)、3850円。
100 MUSUBI ORGANIC
オーガニックコットン100%のシリーズからビビットな色柄の1枚。専用のアイテム「風呂敷パッチン」(2970円)で作るバッグが素敵。Lサイズ(約100cm)、4950円。
アクアドロップリサイクル kata kata (左・中央)、ダブルフェイス 鈴木マサル(右)
動物の柄がキュートな2枚はリサイクルポリエステル繊維使用の撥水加工。右はテキスタイルデザイナーとコラボしたオーガニック100%。いずれもLサイズ(約100cm)4,400円。
むす美(むすび)東京店
住所 | 東京都渋谷区神宮前2-31-8 |
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電話 | 03-5414-5678 |
休業 | 水曜 (夏季・年末年始は特別休業あり) |
時間 | 11:00~19:00 |
交通 | JR原宿駅竹下口から徒歩9分、東京メトロ明治神宮前駅より徒歩7分 |
HP |
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このみやげのレポーター
Motoko |
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「風呂敷」って何?
日本の「包み布」の文化は1300年以上の歴史を持ち、正倉院の所蔵物に現存します。「風呂敷(Furoshiki)」の名称は、室町時代の大名が風呂(Furo)に入るときに、着替えの衣類を包んで運び、着替えの際に床に敷いた(Shiki)ことに由来。江戸時代の中期頃には「Furoshiki」の呼び方が定着したとされています。
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写真
M.Suematsu |
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風呂敷@むす美(むすび)東京店
明治神宮前駅から徒歩約10分
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