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日本のおみやげを訪ねて

Part2

扇子(せんす)@荒井文扇堂雷門店

2023.10.30

江戸の粋を今に伝える扇子を求めて、浅草の専門店へ

京都の雅な文化に対し、江戸は粋の文化。洗練された美を大切にする粋の精神を今に伝えるのが扇子(せんす)です。歌舞伎や舞踊、落語など芸事と関係が深く、ゆっくりとあおいでやさしい風を送る姿も粋。実用だけではなく、室内に飾って楽しむこともできます。外国人にも人気の高い江戸好みの扇子を探しに浅草の専門店を訪ねました。

プロの舞踊家や役者も訪れる雷門店へ

荒井文扇堂は仲見世店と雷門店の2店舗。仲見世店は浅草巡りの途中で立ち寄る人も多く、仲見世から1本入った通りにある雷門店はプロの舞踊家や歌舞伎役者が扇子の注文に訪れることも。今回は雷門店を訪れました。地下鉄浅草駅からは新仲見世を横切るルートもありますが、浅草のメインストリートを経由する道順をご紹介します。地下鉄3番出口から地上に出て雷門通り沿いに西へ進み、雷門をくぐってから2つ目の路地を左へ。雷門柳小路の右手角に位置します。駅から約4分で到着します。

浅草を象徴する雷門の提灯。この先から日本一有名な商店街の仲見世が続き、荒井文扇堂仲見世店もある。

雷門柳小路入口角の趣ある店舗が荒井文扇堂雷門店。夏は団扇や扇の字を染め抜いた日よけ幕が風情を伝える。

繊細な手描きや二段張りなどオリジナルの扇子が揃う

荒井文扇堂は明治18年に創業。店内には普段使いの「持扇(もちおうぎ)」から舞台で使う「舞扇(まいおうぎ)」までが並びます。色柄も季節の風物や和の文様、歌舞伎の演目に材をとったものなどさまざま。なかでも存在感を放つのが、5代目店主の荒井良太さんが手描きし、仕立てる文扇堂オリジナルの扇子です。「絵師でもあった先代の技法を受け継ぎながら、江戸の粋を表現する扇子を製作しています」と荒井さん。繊細な縞模様や余白を活かした墨絵の扇子、異なる色の和紙を用いた二段張りなど、洗練されたデザインで和装にもモダンにも使える扇子が揃います。自分らしい装いに合わせて、大切な人の顔を思い浮かべながら。お気に入りの1本を選びましょう。

店内には扇子のほかに渋団扇や和の小物も置かれ、外国人観光客も多く訪れる。

5代目店主の荒井良太さん。「年の初めには干支をデザインした手描きの扇子が店頭に並びます」。

レポーターMotoko’s おすすめ5選

オリジナルの持扇から3点をチョイス。繊細な手描きの縞や絵付けから日本の伝統工芸の精緻さが伝わります。蛙は日本人におなじみの縁起のいい柄ですが、ユーモラスな表情そのものも楽しいワンポイントです。二段張りはヨーロッパの人が買い求めることが多いそうで、男性用(七寸五分、約22cm)と女性用(六寸五分、約19.5cm)が揃い、カップルへのお土産にもおすすめです。大振りでインテリアのアイテムとして人気のある舞扇は、浮世絵の題材にも多い牡丹の柄と華やかな金銀の扇子を選びました。

持扇「縞と蟹」

縞と蟹のバランスも絶妙。塗り骨の女性用9800円のほかに、唐木骨の男性用1万500円もある。

持扇「赤ふん蛙」

ユーモラスな蛙が洒脱。余白を活かした絵付けはこちらの特徴のひとつ。男性用9070円。

持扇 二段張り

和の色合わせが楽しめる二段張り。男性用・女性用ともに白竹9070円、唐木9820円。

舞扇「梨地 牡丹」

細かな凹凸のある質感の和紙に鮮やかな牡丹が印象的。8250円。

舞扇「並 金銀柄」

蒔絵のように華やかな金銀の舞扇子はお正月の飾りなどにも。8500円。

荒井文扇堂 雷門店

住所

東京都台東区浅草1-20-2MAP

電話

03-3841-0088

休業

月曜

時間

10:30〜16:30(土日は~17:00)

交通

地下鉄銀座線浅草駅から徒歩4分

HP

https://www.instagram.com/arai.bunsendo/

このみやげのレポーター

Motoko

プロフィールへ

「せんす」って何?

扇子は平安時代初期に誕生し、あおいで風を起こすだけではなく儀礼や芸能の小道具として発展しました。江戸時代になると庶民の間でも普及。骨の数が多く雅な柄の「京扇子」、骨の数が少なく粋な柄の「江戸扇子」の2系統があります。

写真

M.Suematsu

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扇子@荒井文扇堂雷門店

地下鉄浅草駅3番出口から徒歩4分

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