おさんぽブログ
没⼊型展覧会「クリムト・アライブ」が、日本橋三井ホールにて世界初開催。19世紀末ウィーンの画家グスタフ・クリムトの傑作の数々が織りなす金色に輝く世界を旅しよう。
2025.8.3

会場内の椅子に座って鑑賞できる。「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」1907(右)、「希望Ⅱ」1907-08 からの映像。
「クリムト・アライブ」は、没⼊型展覧会「ゴッホ・アライブ」、「モネ&フレンズ・アライブ」などを⼿掛けるオーストラリアの企画会社、Grande Experiences(グランデ・エクスペリエンセズ)が企画・制作した新作で、今回が世界初開催となります。COREDO室町にある日本橋三井ホールで開催中の本展を訪ね、光輝くクリムトの世界をさまよってきました。
展示室へ向かう通路展示でクリムトを事前学習
会場入口では、有名な「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」がポスターボードとなって出迎えてくれます。この絵は、クリムトが、ウィーンの銀行家で実業家のフェルナント・ブロッホ=バウアーの注文により、その妻、アデーレをモデルに描いたもの。クリムトの「黄金様式」の最高傑作ともいわれています。
入口から没入型スクリーンがある展示室へ行く通路の左右には、グスタフ・クリムトやその代表作を解説する展示ボードが並び、クリムトに関する予備知識を仕入れることができます。ここでは、グスタフ・クリムトの写真に添えられていたプロフィールの一部を紹介しましょう。
「1862年、ウィーン近郊の慎ましやかな家庭に生まれた。父親は彫金師で、のちの息子の作品を定義づけるようなきらめくような美学を知らず知らずのうちに形成することとなった。=中略= 芸術的には官能性を全開にしていたが、クリムト自身は自分の話をしたがらなかった。彼は結婚しなかったが、生涯の伴侶でありミューズであったデザイナーのエミーリエ・フレーゲと固く、おそらくロマンチックな絆で結ばれていた。=中略= 1918年、55歳の時に、多くの未完成作を残したまま彼はなくなった。~」

クリムト・アライブ入口から、クリムトの解説展示がある通路を通って展示室へ。

通路に展示されたグスタフ・クリムトの写真とプロフィール。
臨場感に満ちたマルチスクリーンに心を揺さぶられる
暗幕をくぐって展示室に入ると、いきなり目に飛び込んできたのは、⾼さ7mの⼤空間に設置された巨⼤スクリーン。光、⾊、⾳、⾹りのなかで、「接吻」「ユディト」「死と⽣」をはじめとするクリムトの傑作の数々が、会場全体に次々と映し出されていきます。光あふれる映像が滝のように壁面や床を流れ、映像とともに流れるクラシック⾳楽に⾝を委ねながら、官能的で金色に輝く夢のようなクリムトの世界に誘い込まれていきます。
この息をのむような没入空間は、Grande Experiencesが開発したSENSORY4™によるもの。マルチチャンネルの動画に映画と同水準のサラウンド音響を組み合わせたこの独自のシステムが、臨場感あふれるマルチスクリーン環境を生み出しています。
そして、展⽰室では、誰でも写真・動画の撮影ができます。椅子に座ったり、歩いたりしながら、好きな構図を切り取って、⾃分だけのクリムトの世界をカメラにおさめていきます。今回はこんな写真が撮れました。

黄金時代の代表作「ユディト1」1901 からの映像。ユディトは旧約聖書に登場する若く美しい女性で、“色仕掛け“で敵の司令官の首を切り落とし、この絵では、その首を抱え、この恍惚の表情を浮かべている。

「ヘレーネ・クリムトの肖像」1898 からの映像。ヘレーネはクリムトの姪。

「ソーニャ・クニップスの肖像」1898 からの映像。ソーニャはウィーンの貴族。

クリムトの絵によく現れる渦巻と幾何学模様。「期待」1904-05 からの映像。

水辺の街が描かれた風景画「マルセシス ガルタ」などからの映像。
クリムトの代表作を体験できる2つの小部屋へ
スクリーンのある大展示室の脇には、クリムトの代表作「生命の樹」と「接吻(恋人たち)」をテーマにした2つの小部屋があります。「生命の樹」は、ブリュッセルにあるストクレ邸の食堂を装飾するための壁画の下絵として描かれたもの。小部屋の壁面には、枝が天に向かって伸びる金色の樹木が、床には渦を巻いてうねる枝が写し出されています。一方の「接吻(恋人たち)」は、男女が咲き乱れる花の上にひざまずき抱き合っている絵で、クリムトの最も有名な作品ともいえます。小部屋に造られた「接吻(恋人たち)」のオブジェの前で、展覧会の記念写真をとりました。

大きな木が大地に根を張る「生命の樹」1905-11 をテーマにした部屋。

有名な作品「接吻(恋人たち)」1908-09 のオブジェがフォトスポットに。
オリジナルグッズを買い、コラボメニューを食べて帰ろう
展覧会を見終わっても、まだ楽しみは続きます。会場内のショップにはクリムトの代表作がオリジナルグッズとして販売されています。ぜひここで来場記念のおみやげを探してみましょう。また会場があるCOREDO室町の飲食店街ではクリムト・アライブとのコラボメニューを期間限定販売しており、コラボメニューを食べた人には「オリジナルステッカー」がプレゼントされています。クリムトの絵をイメージしたメニューばかりなので、観覧後の食事に利用すれば展覧会の余韻も楽しめます。

クリムトの傑作絵画をあしらった本展ならではのオリジナルグッズが登場。

蕎麦割烹 稲田のコラボメニュー「炙り帆立と夏野菜の土佐酢ジュレかけ」(1280円)。
本展は、会期が10月5日までと比較的長いのも特徴です。会期中に、ぜひもう一度、今度はゆっくりと時間を取ってクリムトの世界に没入しに行こうと思います。
クリムト・アライブ 東京展
会場 | ⽇本橋三井ホール( 東京都中央区⽇本橋室町2-2-1 COREDO室町1 4F)MAP |
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会期 | 2025年7⽉18⽇(⾦)〜10⽉5⽇(⽇) |
開館時間 | 10:00〜18:00 ※最終⼊場は閉館の60分前まで |
料金 | ⼀般3000円、⾼⼤⽣2000円、⼩中⽣1500円 |
主催 | クリムト・アライブ 東京展実⾏委員会 |
HP |
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このブログのライター
Wakako |
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