おさんぽブログ
東京国立博物館(本館 特別5室)「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」で新感覚の美術体験。高さ7mの巨大モニターで日本美術の至宝を観賞しよう!
2025.4.8
縄文土器、はにわ、絵巻、鎧兜、浮世絵、そして現代のアニメへ。1万年以上も前から受け継がれてきた日本の美意識を高精細映像でたどるイマーシブシアター「新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」が東京国立博物館(東博)本館 特別5室 で開催中です(8月3日まで)。同館所蔵の国宝や文化財を中心とした、大映像と音響システムによる映像コンテンツは迫力たっぷり。その魅力を体験してきました。

高精細映像による文化財を3方向のモニターで鑑賞。国宝「埴輪挂甲の武人」群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀 東京国立博物館蔵。
大モニターに映し出される文化財をさまざまな角度やサイズで鑑賞
東博とNHKでは、2020年から共同研究プロジェクトとして、最先端のスキャナーやフォトグラメトリ技術を使って文化財を撮影し、超高精細な3DCG=「8K文化財」を制作しています。今回の展示では、これらの映像をふんだんに使用。会場には、正面に高さ約7mのLEDモニター、左右にもモニターを設置し、トップクリエイターが手がけた映像と音楽を最新のシステムで再現することで没入体験へと導きます。

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(NHK)出演中の横浜流星さんがナビゲーターをつとめる。

大モニターいっぱいに映し出される姿は何とも幻想的。 国宝「火焔型土器」 新潟県十日町市 笹山遺跡出土 縄文時代(中期)・前3000~前2000年 新潟・十日町市(十日町博物館保管)

回転しながら映し出される土偶がユーモラス。重要文化財「遮光器土偶」青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 縄文時代(晩期)・前1000~前400年 東京国立博物館蔵
映像コンテンツは約24分。放映中のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(NHK)で蔦屋重三郎役をつとめる横浜流星さんのナビゲートのもと、第1幕「タイムトラベル 日本の美」、第2幕「江戸中期 蔦屋重三郎がポップカルチャーの礎を築いた」、第3幕「日本アニメの誕生と飛躍」、第4幕「日本アニメと日本文化の共通コード」という構成で進行します。前半の見どころは、通常では見ることができない角度やサイズで文化財を観賞できること。たとえば、斜めから下から映し出しされる土偶の豊かな表情や造形美に気づいたリ、彩色復元されたはにわに感嘆したり。能面は角度を変えることで、さまざまな表情を宿すことに気づかされます。また、喜多川歌麿や東洲斎写楽の浮世絵を拡大し、髪の生え際や着物の生地など微細なタッチが浮かび上がるのは、絵師の筆運びを実際に目撃しているような気持ちに。

3つのモニターで細部を拡大。「婦女人相十品 ポッピンを吹く娘」 喜多川歌麿筆 江戸時代・18世紀 東京国立博物館蔵
最新のアニメにも影響。日本の美意識と「新ジャポニズム」を理解する
後半は、日本のアニメーションの誕生とアニメの表現を進化させてきた作品を紹介。手塚治虫さん、高畑勲さん、細田守さんのインタビュー映像では、日本の美意識とアニメの共通点も語られ、たとえば、長谷川等伯「松林図屛風」の余白の表現がアニメに影響を与えたという興味深い指摘も。今や世界中の人たちを魅了する日本のマンガやアニメ=「新ジャポニズム」の魅力とさらなる可能性を知ることができます。
映像コンテンツは繰り返し投影されるので、第一幕から順に見た後、気になった文化財を再度じっくり鑑賞しても。各回終了後には約3分のフォトタイムが設定されており、モニター画面や会場内を撮影することができます。

宮崎駿氏の監督デビュー作「未来少年コナン」 © NIPPON ANIMATION CO., LTD.
"INCREDIBLE TIDE" Copyright © 1970 by Alexander Key
Animated film rights in Japanese language arranged with McIntosh & Otis, Inc. through Japan UNI Agency, Inc.
本展の観覧券で、観覧日当日に限り東博コレクション展(平常展)の鑑賞が可能。東博が誇る国宝や重要文化財をあわせて鑑賞するのもおすすめです。また、4月22日(火)~6月15日(日)は「浮世絵現代」(表慶館)も当日限り無料で観覧できます。こちらには、江戸の浮世絵の技術を受け継いだ彫師・摺師と、アーティスト・クリエーターがコラボした「現代」の「浮世絵」が並びます。
東京国立博物館「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」
会期 | 2025年3月25日(火)~2025年8月3日(日) |
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場所 | 東京国立博物館 本館特別5室(東京都台東区上野公園13-9)MAP |
開館時間 | 9:30~17:00 毎週金・土曜日、5月4日(日・祝)、5日(月・祝)、7月20日(日)は20:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで |
料金 | 一般2000円、大学生1200円、高校生800円、中学生以下、障害者とその介護者1名は無料 |
お問合せ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
交通 | JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分 |
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Motoko |
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