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皇居三の丸尚蔵館で開催中の「百花ひらく-花々をめぐる美-」は、花開く春の季節にぴったりの展覧会。四季折々の花々をモチーフとした日本美術の名品に会いに行こう!

2025.3.18

皇居三の丸尚蔵館では、2025年3月11日(火)から5月6日(火・休)まで、展覧会「百花ひらく-花々をめぐる美-」が開催されています。同館は、2026年秋に新施設が完成し全面オープン予定ですが、当展覧会の後、移行準備に入り一時休館になります。そのため今回の展覧会は、2023年から開催されてきたプレオープンにおける展覧会の最終を飾るものでもあります。近づく春の足跡を聞きながら、花々をモチーフとした作品との出会いに胸をはずませ、皇居東御苑にある美術館に足を運びました。

日本の花をテーマにした絵画・工芸・書跡の展示

四季がはっきりした日本では、季節を彩る花々は芸術の主要モチーフとして、古来さまざまに造形化されてきました。本展では、花を題材とした 11 世紀から現代にいたる絵画・工芸・書跡 45件が、前期と後期の展示で紹介されています。 展示室に入って最初に出会うのは、黒地に様々な花が描かれた《七宝四季花鳥図花瓶》。1枚1枚丁寧にあらわされた桜の花弁など、繊細な技法に目を凝らします。2番目の展示室に入ってすぐ右側には、金地に紅と白の梅が咲き誇る大きな屏風《紅白梅図屏風》が置かれています。書跡で目を引いたのは、平安中期の歌人・藤原兼輔(堤中納言)の歌集を書写した《堤中納言集(名家家集切)》。流麗な漢字と仮名で春、秋、冬の花の歌もしたためられています。花瓶、棚、器など、花があらわされた工芸品も出展されています。小さな菓子器、ボンボニエールは、皇室の御慶事などで記念品として配られたもの。5点のボンボニエールの蓋には、皇族のお印(身の回りのものに付けるシンボルマーク)を表す花や植物、文字があらわされています。

《七宝四季花鳥図花瓶》並河靖之 明治32年(1899) 通期展示

《紅白梅図屏風》今中素友 大正12年(1923)前期展示

《堤中納言集(名家家集切)》(部分) 伝 紀貫之 平安時代(11世紀) 前期展示

《五稜形ゴヨウツツジ文ボンボニエール》 平成18年(2006) 通期展示 

《色絵四季草花図食器》(一式のうち鉢(中央)ほか) 幹山伝七 明治時代前期(19世紀後半) 通期展示

伊藤若冲の代表作、国宝《動植綵絵》から4幅を公開

本展の見どころの一つは、江戸時代の絵師・伊藤若冲の代表作《動植綵絵》のうち、花を描いた4幅の公開です。《動植綵絵》は、京都で活躍していた若冲が40歳を過ぎてから10年程度かけて描き継いだ全30幅からなる大連作もの。京都の相国寺に寄進され、明治22年(1889)に皇室に献上され、現在、皇居三の丸尚蔵館に収蔵されています。日本の花鳥画の到達点のひとつとして極めて高く評価され、国宝となっています。前期には《桃花小禽図》と《牡丹小禽図》、後期には《梅花小禽図》と《薔薇小禽図》が展示されます。いずれも花の絵に、小鳥などの小動物が効果的にあしらわれた構図で、若冲の絵の特徴である豊かな色彩表現と繊細な写実描写を堪能できます。  

国宝《動植綵絵 桃花小禽図》伊藤若冲 江戸時代(18世紀)前期展示

国宝《動植綵絵 牡丹小禽図》伊藤若冲 江戸時代(18世紀)前期展示

多彩な花モチーフの日本絵画が並ぶ。後期展示作品にも注目

《動植綵絵》以外にも、花を題材とする日本絵画が多数出展されています。《春花生花図》は、2つの花生に盛られた春の花々が描かれた作品。色鮮やかな画面に気持ちが明るくなります。《桜図屏風》は左右の屏風に10種類の桜が配されたもの。様々な桜を一度に見ることができます。《加賀地方花鳥図刺繍壁掛》は、桃色の背景に、白山の山々、16種類の高山植物に囲まれる雷鳥親子の様子が、刺繍で表されています。《菊花図額》は籠からあふれ出る菊の折枝を描いた陶板画。花弁の水滴のリアルさにも注目です。

《春花生花図》 狩野玉円 江戸時代(19世紀)前期展示

《加賀地方花鳥図刺繍壁掛》 図案 玉井敬泉 昭和3年(1928)頃 前期展示

《桜図屏風》跡見玉枝 昭和7年(1932)前期展示

《菊花図額》 1910年頃 通期展示

今回鑑賞したのは前期展示でしたが、4月8日(火)からの後期展示では、幾つかの作品が入れ替わります。伊藤若冲《動植綵絵》は《梅花小禽図》と《薔薇小禽図》に入れ替わり、展覧会のポスターに使用されている土田麦僊《罌粟》や、池上秀畝《国之華》など、花をテーマにした名品が登場します。ぜひ後期展示期間中にも足を運びたいと思いました。

展覧会「百花ひらく-花々をめぐる美-」

会期

2025年3月11日(火)~5月6日(火・休) ※会期中、一部作品の展示替えを行います。
[前期 3月11日(火)~4月6日(日) / 後期 4月8日(火)~5月6日(火・休)]

場所

皇居三の丸尚蔵館  (東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内))MAP

開館時間

9:30~17:00 ※金・土曜日は20:00閉館(3月28日(金)および4月25日(金)除く)
※入館はいずれも閉館30分前まで

休館日

月曜日 ※5月5日(月・祝)は開館、3月31日(月)は臨時会館

料金

一般 1,000円、大学生 500円 ※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上は無料      
※障がい者手帳の所持者および介護者各1名は無料 

お問合せ

 050-5541-8600(ハローダイヤル)

交通

地下鉄各線の大手町駅(C13a出口)から徒歩約5分
JR東京駅(丸の内北口)から徒歩約15分

HP

https://shozokan.nich.go.jp/

特別開館

毎週金曜・土曜の夜間開館 会期中の金曜・土曜は、9:30~20:00まで開館(最終入館は19:30)
※ただし3/28日(金)と4/25日(金)は除く

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