国技館を有し相撲の町として知られる両国では、美術館や庭園をめぐり、日本の美を堪能しよう。隅田川を厩橋で渡った対岸の町、蔵前は、町工場などが連なる物作りの町。近年は、おしゃれで個性的なカフェや雑貨屋が集まる。町の雰囲気が似ているNYのブルックリンに例えて、東京のブルックリンとも呼ばれる。ここでティータイムや買い物を楽しもう。趣が異なる2つの下町を結んで歩く。
スタート
両国駅(JR総武本線)
ゴール
蔵前駅(都営地下鉄浅草線)
歩行距離
約4.6㎞
歩行時間
約60分
立ち寄り目安時間
ルートの目安時間
約5時間30分
このコースのイラストマップ
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Vol.10東京お散歩ビデオミニ版
両国駅西口~蔵前駅A3
下町4 相撲の町からモノ作りの町へ
伝統文化が生きる両国と、職人の手仕事が息づく蔵前。隅田川を挟んで向かい合う、趣が異なる2つの下町を巡る。
※ビデオ画面から全編をお楽しみください。
ルート順路
13分 1km
10分 800m
11分 850m すみだ川テラス→厩橋
6分 450m
6分 450m 国際通り
6分 450m
4分 300m
4分 300m
ルートガイド
両国駅西口 を出ると、両国国技館のドームが目に飛び込んでくる。駅前を右折し、左に国技館を見ながら進む。アパホテルの脇を通って江戸東京博物館の前の小道を歩く。そのまま進むと清澄通り。ここには都営地下鉄大江戸線の両国駅がある。通りを渡り、北斎通りと呼ばれる通りをまっすぐ進む。やがて右手に緑町公園が見えると、その向こうにすみだ北斎美術館 の近未来的な建物がある。すみだにゆかりの深い葛飾北斎の作品を愛でたら、美術館を背に北へ直進し、二葉小学校の交差点で左折。小学校の校庭に顔を出す東京スカイツリーが眺められる。三重塔がある横網町公園を右に過ぎると間もなく旧安田庭園 。小規模だが美しい大名庭園をしばし散策。国技館通りを渡って隅田川の堤に降りる。隅田川沿いの堤は、隅田川テラスとして整備され、気持ちのよい川辺の散歩が楽しめる。堤防やフェンスには、隅田川の風物詩や歴史の絵も描かれている。川を左に見て進み、蔵前橋の次に現れる厩橋を渡って対岸へ。橋のたもとにあるコーヒースタンド、LEAVES COFFEE APARTMENT で一休み。ここからさらに300mほど直進し、寿三丁目の交差点で国際通りを右へ。人気パン屋ペリカンの直営カフェ、ペリカンカフェ でお腹を満たそう。国際通りを戻り、蔵前の交差点で右折してすぐ公園脇の小道を入れば、ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前 。ホットチョコレートで一息ついたら、蔵前の町をさらに奥へ進む。このあたりには、玩具問屋や小さな町工場などが散在する。その一角に、ガラス張りのモダンな外観が一際目を引く文具の老舗カキモリ がある。その場で好きなパーツを選び自分だけのノートを作れる。カキモリから蔵前駅へ向かう道の途中で、自由丁 に立ち寄り、未来の自分へ手紙を書いてみよう。蔵前2丁目の交差点で、国際通りを渡れば、ゴールの都営浅草線蔵前駅 に到着する。
立ち寄りスポットガイド
スポットの分類マーク
highlight. Entertainment
restaurant
cafe
shopping spot
accommodations
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見どころ・遊び場 |
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レストラン・食事処 |
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カフェ・ドリンクスタンド |
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買い物スポット |
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宿泊施設 |
JR両国駅西口
JR総武本線両国駅西口から。
JR両国駅は、かつては両国橋という名の駅で、千葉の房総方面へのターミナル駅としてたいへんにぎわいました。1972(昭和47)年に総武本線の東京~錦糸町が開通するとターミナル駅としての機能を失いました。1929(昭和4 )年に建てられたモダンな旧駅舎は、現在江戸NORENという飲食店街として整備され、江戸の食文化を発信する和食店が軒を連ねています。都営大江戸線両国駅は、JR両国駅から少し離れており、連絡はしていません。
駅全景。3つのアーチ型の窓と時計があるのが旧駅舎。
相撲の拠点らしく、駅の看板も相撲文字になっている。
粋な装飾の江戸NOREN入口。内部は吹き抜けを生かした町家風。
目の前が両国国技館。駅には力士の姿もよく見られる。
両国駅から、すみだ北斎美術館へ
両国駅西口前を右折すると江戸東京博物館の壮大な屋根が見える。
江戸東京博物館の前は、心地よい木立の散歩道。
小道沿いには徳川家康の像もある。
すみだ北斎美術館
すみだゆかりの世界的浮世絵師にふれる
世界的にも評価の高い浮世絵師、葛飾北斎(1760~1849)は、すみだに生まれ、その生涯のほとんどをすみだで暮らしました。隅田川をはじめすみだの風景を描いた作品も多く残しています。AURORA(常設展示室)では、高精細レプリカを使い、北斎や門人の作品をわかりやすく紹介し、その変遷を追うとともに、高精細モニターでの鑑賞や、制作工程の映像などを交え、多角的に興味深く学ぶことができます。北斎とすみだとの関わりも見て取ることができ、その個性的でエピソードに満ちた生涯にも触れることができます。収蔵作品をはじめとした企画展も充実しています。
この信号を右折して美術館へ。
柔らかな鏡面に大きくスリットが入った独特の建築が印象的。
撮影:尾鷲陽介
スリットはアプローチを兼ね、どこからでもアクセスできる。
AURORA(常設展示室)入口。迫力のある入口。
タッチパネルで作品をズームアップして鑑賞することもできる。『北斎漫画』の絵手本もタッチパネルで紹介している。
娘お栄(葛飾応為)とともに制作にあたった北斎のアトリエ(住居)の再現模型。生涯に90回以上引っ越しをしたといわれるが、そのほとんどはすみだであった。
すみだ北斎美術館
住所 | 東京都墨田区亀沢2-7-2 |
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電話 | 03-6658-8936 |
休館 | 毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合は、その翌平日)。年末年始。 |
時間 | 9:30~17:30(入館は~17:00) |
料金 | AURORA(常設展示室)一般400円、他、(HPをご覧ください) |
交通 | 都営地下鉄大江戸線両国駅A3出口から徒歩5分 |
HP |
旧安田庭園
隅田川の干満を利用した美しい大名庭園
元禄年間(1688~1703)に大名庭園として築造されたと言われ、のちに隅田川の水を引き、その干満を利用して景色の変化を楽しむ潮入回遊式庭園として整備されました。明治に入り、旧岡山藩主池田家の邸宅になったのち、安田財閥の祖、安田善次郎が購入しました。1922(大正11)年に東京市に寄贈され、現在は墨田区が管理しています。中島がある心字池には亀や野鳥が遊び、それを中心に、よく手入れされた日本庭園の向こうに近代的なビルが林立するさまが印象的です。現在は隅田川からの引水はしていませんが、ポンプで潮の干満を再現しています。
旧安田庭園の出入口は3カ所。入園無料で気軽に散策できる。
心字池の向こうには、近代的なビルやスカイツリーがそびえる。(墨田区観光協会)
散策路には趣のある橋や石灯籠、句碑が並んでいる。(墨田区観光協会)
今日は刀剣博物館わきの出口から隅田川テラスに下りて歩こう。
旧安田庭園
住所 | 東京都墨田区横網1-12-1 |
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電話 | 03-5608-6661(墨田区道路公園課) |
休業 | 無休 |
時間 | 10~3月9:00~18:00、4~9月9:00~19:30 |
入園料 | 無料 |
交通 | JR総武線両国駅西口から徒歩5分 |
HP | http://visit-sumida.jp/spot/6085 (墨田区観光協会) |
隅田川を渡って蔵前へ
すみだ川テラスを歩く。
厩橋を渡って蔵前へ。
LEAVES COFFEE APARTMENT
世界品質の豆を一流のローストとドリップで
隅田川の墨田区側本所にあるリーブス・コーヒー・ロースターのコーヒースタンド。世界から厳選し、豆のよさを最大限に生かすように焙煎した最高品質のコーヒーを、丁寧にハンドドリップしてくれます。厳選した豆やオリジナルブレンドを用意し、その特徴を説明しながら、好みに合わせてドリップしてくれます。一口飲めばその違いに驚かされるでしょう。
厩橋の蔵前側のたもとにある。
希少なものも含め個性が生きる豆やオリジナルブレンドを毎日6種ほど用意し、その特徴を丁寧に説明してくれる。豆も販売する。
スタッフの田中航太さん。種類により一番おいしい状態で丁寧に抽出。客の好みにも応える。
今日のチョイスはオリジナルブレンドのシナジー。エチオピアのナチュラル、コロンビアのゲイシャ、ブラジルのアナエロビックをブレンド。1杯620円。豆は100g1300円。
テイクアウト専門。店の前にはちょっと休む場所もあり。
15時以降は2階の席を使用することも可能。
LEAVES COFFEE APARTMENT
住所 | 東京都台東区駒形2-2-10 |
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休業 | 月曜(祝日の場合翌日) |
時間 | 10:00~18:00 |
交通 | 都営大江戸線蔵前駅A7出口から徒歩1分 |
HP |
ペリカンカフェ
老舗パン店の自慢のパンをこんがり炭火でトースト
1942(昭和17)年、浅草田原町に創業した「パンのペリカン」。食パンとロールパンの2種類に絞って、創業時からレシピを変えずに焼くそのパンは、日々の食卓に欠かせないと遠くから買いに来る人がいるほど。そんなお客さんのために、2017年、直営カフェができました。炭焼きトーストやフルーツサンドなどが人気です。パンによく合うコーヒーもおいしく、スープやサラダもあるのでバランスのよい食事ができます。テイクアウトメニューも多種取り揃えています。
パン店と同じ赤いテントがかわいいカフェ。国際通り沿いにある。
ペリカンは、なんと2代目の学生の時のあだ名からつけた店名。
店内は明るくおしゃれ。女性に人気なのも納得。
厚さ3cmの香ばしい炭焼きトーストは単品360円、ドリンクセット650円。バターと特製ジャム付き。
ハムカツサンド750円は、厚切りの浅草ハムに自社のパン粉をつけて揚げ、下町らしい甘辛の味付けに。マヨネーズも自家製。
パンのおいしさを引き出すため、トーストは特注の炭台で炭焼きにして提供。炭の扱いの修業もしたという。
ペリカンカフェ
住所 | 東京都台東区寿3-9-11 |
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電話 | 03-6231-7636 |
休業 | 日曜・祝日 |
時間 | 9:00~18:00(17:00L.O.) |
交通 | 都営大江戸線蔵前駅から徒歩5分、都営浅草線浅草駅から徒歩5分、東京メトロ銀座線田原町駅から徒歩5分 |
HP |
ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前
サンフランシスコ発祥のクラフトチョコレートファクトリー
世界10か国以上のカカオプロデューサーから豆を直接買い付け、選別、焙煎、メランジング、テンパリング、そして包装まで全てを自社で行う”Bean to Bar”を実践しているファクトリー&カフェです。2010年にサンフランシスコで創業され、2016年に蔵前で初の海外出店を果たしました。店内にはストックされたカカオや出来上がったチョコレートの甘い香りに満ちています。使っているのはシングルオリジンカカオとオーガニックきび砂糖だけ。苦味や酸味、フルーティーさといった個性豊かなカカオのフレーバーを楽しめ、ワークショップ等も積極的に開催されています。
古い倉庫をリノベーションしたという。蔵前らしい趣がある。
まさに豆からのチョコレート作りの工程を見ることができる。
店限定、季節限定のスイーツもあり、いつ来ても楽しめる。
ギフトにも喜ばれる「チョコレート・コレクション」。蔵前で作られた3種のチョコレートバーがセットになっている4320円。
京都の日本茶専門店YUGENのほうじ茶をブレンドした「ほうじ茶ホットチョコレートミックス」2160円。
2階のカフェは古さや倉庫らしさも生かした落ち着く空間。
一番人気のハウスホットチョコレート580円(税別)。コロナウイルス感染拡大防止のため、現在はテイクアウト用のコップで提供。
窓の外は公園に面し、ゆったりと一息つくことができる。
ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前
住所 | 東京都台東区蔵前4-14-6 |
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電話 | 03-5833-7270 |
休業 | 不定休 |
時間 | 11:00~18:00 |
交通 | 都営浅草線蔵前駅から徒歩3分 |
HP |
もの作りの町、蔵前を歩く
周辺は、町工場やニッチな商店が軒を連ね、歩くのも楽しい。
カキモリ
オリジナルのノートやペンで手書きの良さを再認識
カキモリとは「書人」。書く楽しみを追求する文具店です。ここで人気なのはオリジナルノート作り。表紙、用紙、リング、留め具など好きなものを選び、自分だけのノートを作ることができます。サイズも選べ、用紙は罫のないものからスケジュール帳まで、紙の種類もさまざま。制作時間30分ほどで、製本料を入れて900円からできます。既成のノートやペンのコレクションも驚くほど豊富。安価なものから高価なものまで、万年筆は国内外のもの30種ほどをそろえ、オリジナル製品があります。広い店内を巡ると、ここの文具を使って何かを書いてみたくなります。
蔵前に店を開いて10年。ものづくりの町に溶け込んでいる。
ただ書くのではなく、「たのしく、書く人。」がコンセプト
オリジナルノートは、表紙だけでも60種。組み合わせは無限大。
ノートのリングや留め具の種類や素材、色もさまざまある。
製本は店のスタッフにまかせて。リングの位置もいろいろ。
こんなに素敵なノートの出来上がり。これは2200円。
鉛筆やペン、レターセットも充実。床は色鉛筆がモチーフに。
万年筆はどれも試し書き可能。試し書きの紙も多種用意している。
カキモリ
住所 | 東京都台東区三筋1-6-2 |
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電話 | 050-1744-8546 |
休業 | 月曜(祝日は営業) |
時間 | 11:00~18:00 |
交通 | 都営浅草線蔵前駅から徒歩6分 |
HP |
自由丁
1年後の自分に手紙を書いてみよう
「読書できます、休めます、悩めます」そう書いてあるこのお店。ここでできることはいくつかありますが、面白いのは、1年後の自分に手紙を書けることです。レターセットは、手紙を書きたいシーンに合わせて5種類用意されています。そして、そのシーンに合わせたドリンクも付いています。手紙を書かなくても、電源もWi-Fiも使えるので自由に過ごすこともできます。「素直な気持ちで過ごし、自分と対話するきっかけに」というオーナーの思いが込められた場所です。
何屋さん? という店構え。まずは入ってみよう。
自分へのレターセット。「夢に向かう」「自分と語る」など、5シーンから今の自分に合うものを選ぶ。ドリンク付き1600円(税別)
自由に過ごすのは、1時間800円3時間1200円(税別)
色のペンや、さまざまな装飾アイテムもある。
宮崎の白玄堂の有機煎茶。ほかにAFRIKA ROSEのローズティーや、蔵前の自家焙煎コーヒ店コフィノワのコーヒーなどをそろえる
手紙は1年後、あるいは誕生日や記念日など希望の日に届くように預かってくれる。
次に読む人に宛てた手紙をはさみ、自分の本と交換するという、ユニークな「繋がる本棚」
自由丁
住所 | 東京都台東区蔵前4-11-2 |
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休業 | 月・火曜(祝日の場合営業) |
時間 | 水~金曜12:00~19:00、土・日曜11:00~20:00 |
交通 | 都営浅草線蔵前駅から徒歩3分 |
HP |
蔵前駅
都営浅草線蔵前駅へ
国際通りを越え、江戸通り(国道6号線)に出ると都営浅草線蔵前駅の入り口。大きな道路が交差するところで、車通りが激しいですが、少し横道に入ると昔ながらの下町風景に出合えます。隣は浅草駅で、東武鉄道や東京メトロ銀座線にも乗り換えができます。
蔵前二丁目の交差点は、国際通りと江戸通りが鋭角に交差する。
蔵前の駅は、2つの通りに挟まれた島のような場所にある。
蔵前駅は都営大江戸線にもあるが、両路線は地下で接続することはなく、ここからは450mほど離れているので注意。