首都圏お散歩コース
Vol.25
とげぬき地蔵尊から旧古河庭園へ
2026.4.20
前半は、とげぬき地蔵尊を参拝し、おばあちゃんの原宿・巣鴨地蔵通商店街をブラ歩き、後半は桜の里・染井地区を巡り、旧古河庭園の庭へ。歴史スポットが連なる見どころいっぱいの贅沢なコース。
| スタート | 巣鴨駅北口(JR山手線・都営三田線) |
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| ゴール | 駒込駅北口(JR山手線・東京メトロ南北線) |
歩行距離 |
約3.9km |
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歩行時間 |
約57分 |
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コースの目安時間 |
約3~4時間 |
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コース順路
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フォトスポット
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歴史がわかるスポット
このコースのレポーター
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Wakako(ライター) |
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歩行時間は1時間あまりですが、名刹参拝、商店街巡り、歴史散策、庭園巡りなど、お散歩の醍醐味がギュッと詰まっています。これまで巣鴨、駒込は縁のない地域でしたが、取材してその多様な歴史と文化に感激! 4月初旬に歩いたので、満開の染井の桜も満喫できました。
コースガイド
お散歩の前半は、巣鴨駅からスタートし、とげぬき地蔵尊で有名な高岩寺に参拝して健康を願ったら、寺の参道として賑わう「おばあちゃんの原宿」巣鴨地蔵通り商店街をブラブラと歩きます。名物の赤パンツの店や、金太郎飴、芋菓子、大福など気に入った店を訪ね、商店街のマスコットキャラクター「スガモン」のオブジェとの撮影も楽しんだら、商店街を引き返し、高岩寺の脇の道から染井霊園へ。ここから、後半の駒込エリアのお散歩に。ソメイヨシノの発祥地として知られる染井地区は、今は静かな住宅街ですが、江戸末期にはいくつもの大名屋敷が連なって、優秀な植木屋がいる村として知られていたそうです。大名の邸宅や庭園が広がる江戸時代の染井地区の風景を想像しながら住宅街の小道を歩き、最後のスポット旧古河庭園へ。このお散歩ルートは、ほぼ豊島区内を巡りますが、この庭園だけは北区にあります。お洒落な洋館と和洋の庭を巡って大正時代の息吹に触れたら、本郷通りを10分ほど歩いて駒込駅へゴールします。
コースマップ
立ち寄りスポットガイド
❶ 巣鴨駅北口 START!MAP
JR山手線内回りで東京駅から19分210円。都営三田線で大手町駅から12分220円。JRなら北口、都営三田線ならA3出口を利用するとよいでしょう。
JR巣鴨駅北口をでたら左へ。
北口ロータリー沿いに国道17号へ。
👟👟 JR巣鴨駅北口からとげぬき地蔵尊(高岩寺) へ
国道17号を右折して直進します。左側に、巣鴨駅商店街のソーラーアーケードを見ながら5分ほど進み、とげぬき地蔵入り口信号の横断歩道を渡り、とげぬき地蔵通り商店街に入ります。商店街を少し進むと右手にとげぬき地蔵尊(高岩寺)の山門があります。
国道17号(中山道)を進む。
とげぬき地蔵入り口信号の横断歩道を渡ると商店街の入口。
❷ とげぬき地蔵尊(高岩寺)
MAP
病気平癒や厄除けのパワースポット
1596(慶長元)年に江戸湯島で開山した曹洞宗の寺院。1657 (明暦3) 年の江戸の大火事で全焼し下谷車坂下に移転し、1891年(明治24年)には東京市の都市計画令によって巣鴨に移り今に至ります。本尊の「とげぬき地蔵尊」は小さな「霊印(れいいん)」に現れた、お地蔵さまの「印像(いんぞう)」で、病の平癒や延命に霊験あらたかとされています。現在は髙岩寺本堂(地蔵殿)内の正面 須弥壇上に奉安され非公開ですが、この姿を模した御影(おみかげ)は、同じご利益があるとされ、参拝者に人気です。
朱塗りの山門をくぐって本堂・地蔵殿へ。「萬頂山・髙岩寺」「とげぬき地蔵尊」の紅白ちょうちんが下がる。
大香炉。線香を献香して良い香りを地蔵尊へ届け、余った香りで自らの身心を清める。
地蔵殿入口から、金色の天蓋と正面の須弥壇(しゅみだん)を望む。
須弥壇中央の厨子には、本尊の秘仏として非公開の地蔵尊像が奉安されている。
山門に掲げられた「高岩寺」の額の文字は、曹洞宗管長・永平寺76世貫主、 秦慧玉(はた えぎょく)禅師によるもの。
高岩寺では、参拝者も無料で参加できる祈祷と供養が毎日行われている。6時半の早朝祈祷(15分)、13時からの特別祈祷(20分)、16時からのご供養(10分)がある。
寺の隣にある信徒会館は、参拝者が気軽に立ち寄れる無料休憩所でもある。仏像彫刻や東北復興支援の伝統こけしが常設展示されている。
とげぬき地蔵尊(高岩寺)
| 住所 | 東京都豊島区巣鴨3丁目、4丁目 |
|---|---|
| 電話 | 03-3917-8221 |
| 休業 | 年中無休(24時間参拝自由) |
| 交通 | JR巣鴨駅北口から徒歩5分 |
| HP |
Wakako’s PICK UP 1
| 「とげぬき」の由来を解説! 1713 (正徳3) 年、重病の妻の快癒を一心に願っていた髙岩寺の檀徒、田付又四郎の夢に現れた地蔵菩薩が又四郎に授けたのが、地蔵菩薩の尊影が現れた「霊印」でした。又四郎は地蔵菩薩のお告げに従って、霊印の地蔵尊像を1万枚の紙片に写しとり、隅田川に流して念じたところ、翌朝、地蔵尊が妻の前に現れて病魔を退治し、妻はみるみる健康を取り戻しました。その2年後には、毛利家の大名屋敷で針を誤飲した女性に、この地蔵尊像を写し取った紙札を飲ませたところ、誤飲した針が紙札の地蔵尊を貫いて出てきたのです。これが「とげぬき」のはじまりです。「霊印」は1728(享保13)年に髙岩寺に奉納され、現在は髙岩寺本堂(地蔵殿)内の正面、須弥壇上に奉安されています。 |
本堂内で授与している御影(おみかげ)。本尊延命地蔵菩薩の写しが五体包まれている。この写しを悪い部位に貼る、または水で飲むことで病の「とげ」が抜けるといわれている。 |
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❸ 巣鴨地蔵通商店街を歩くMAP
信仰が息づく古き良き日本の商店街
巣鴨側から始まって都電荒川線の庚申塚停車場まで約800mにわたって続く活気ある商店街。飲食店や衣料品店など約200店が軒を連ね、店をのぞきながら歩くだけで楽しい通りです。毎月「4」の付く日(4日、14日、24日)は縁日が開かれ、人が歩けないほど混雑します。通り沿いには、とげぬき地蔵尊(高岩寺)と共に、江戸六地蔵(眞性寺)、猿田彦大神庚申堂があり、多くの高齢者が参拝に集まっていたため「おばあちゃんの原宿」とも呼ばれています。最近は若い世代にも人気がある商店街に変貌してきました。
巣鴨駅からすぐの入口のアーケード。商店街は旧中山道沿いにある。
商店街のイメージキャラクター「すがもん」がポストに(巣鴨郵便局)。
「おばあちゃんの原宿」の名の通り通行人には高齢者も多いが、若者も闊歩している。
巣鴨地蔵通り商店街
| 住所 | 東京都豊島区巣鴨 3-35-2 |
|---|---|
| 電話 | 03-3918-2101(巣鴨地蔵通り商店街振興組合) |
| 交通 | 巣鴨駅北口から徒歩7分、巣鴨駅A3出口から徒歩3分 |
| HP |
巣鴨 金太郎飴MAP
丹精込めた手作り飴がずらりと並ぶ
高岩寺正面の店舗で飴を作り続け60年以上。店名の「金太郎飴」、痰が切れる「たんきり飴」、巣鴨ならではの「地蔵飴」など50種類以上の飴を、2階の工房で製造し販売。
HP https://sugamo.or.jp/shop/kintaroame/
「巣鴨 金太郎飴」三代目当主の新藤康之さん。素材の味を生かした飴づくりを続ける。
どこを切っても同じ顔が出てくる「金太郎飴」が看板商品。巣鴨のお土産にもおすすめ。
おいもやさん興伸 巣鴨店MAP
芋問屋が開いたサツマイモ菓子専門店
創業は1876年。時季のおいしいお芋を無添加で製造し、そのお芋の特長を生かして、大学芋、スイートポテト、芋ようかんなど様々な芋スイーツを提供しています。
HP https://sugamo.or.jp/shop/oimoyasan01/
商店街を入ってすぐ左手に店舗がある。巣鴨店を含め、都内に7店舗を展開。
サツマイモを油で揚げて蜜を絡めた大学芋は「みやび」など5種類も取り揃える。
古奈屋 巣鴨本店MAP
カレーうどんの新しい歴史を作った店
1983年創業のカレーうどん専門店。カレールウ、かつおだし、かえし、うどん、ミルクと材料のすべてにこだわった、オリジナルティあふれるカレーうどんを提供しています。
HP http://www.konaya.ne.jp/
店内は落ち着いた雰囲気。カレーうどんはメニューが豊富で1200円~2000円程度。
「季節のかき揚げカレーうどん(もち入り)」。デザートのレモンの寒天も絶品。
「日本一の赤パンツ」マルジ「赤パンツ館」MAP
女性の赤パンツや赤肌着など赤グッズの専門店。60歳の還暦祝いなどのプレゼントや自分用にシニア世代がよく訪れます。赤一色の店内にいるだけで元気と活力がわいてきます。
HP https://sugamo.or.jp/shop/marujiakapants/
生活衣料を扱う「マルジ」は商店街に3軒あり、ここはその中の赤パンツ専門店。
赤いパンツがズラリと並ぶ迫力ある店頭。一度見たら忘れられない巣鴨の光景だ。
越後屋 洋装店の店先には看板商品のもんぺが並んでいる。
ヤングからお年寄りまで様々な年齢層の帽子を揃えている。
店頭には肉屋ならではの手作り惣菜が並ぶ。手作りメンチカツが人気。
昭和の雰囲気を残すレトロな食堂。アジフライ定食など定食が評判。
👟👟巣鴨地蔵通り商店街から染井霊園
巣鴨地蔵通り商店街から、越後屋 洋品店と高岩寺との間の路地を入って、国道17号に出たら、横断歩道を渡って右折し、1本目の道を左折して進むと、染井霊園の巣鴨門に突き当たります。
高岩寺の裏路地を通って国道17号へ。
国道17号を渡って、染井霊園の巣鴨門へ。
❹ 染井霊園MAP
桜の古木が点在する静寂な墓地
上駒込の林田藩(兵庫県)建部(たけるべけ)邸宅跡地を東京府が引き継ぎ、1874(明治7)年に染井墓地として開設。1935(昭和10)年5月には名称を染井霊園と改め現在に至ります。 広さ約6万800㎡と、都立霊園の中では最も規模が小さく、平坦で静寂な敷地に約5,500区画のお墓が立ち並んでいます。高村光雲、高村光太郎、二葉亭四迷、岡倉天心など多くの著名人も眠っています。ソメイヨシノ発祥の地として知られた染井村に立地するため、霊園内にも約100本のソメイヨシノが植えられており、春は多くのお花見客で賑わいます。
霊園管理事務所で、著名人の墓所も記された霊園案内の地図が配布されている。
霊園を横切る「南そめいよしの通り」沿いを歩く(2026年4月上旬)。
ソメイヨシノの古木が集まる「花吹雪広場」。花びらが地面を桜色に染めていた。
染井霊園
| 住所 | 東京都豊島区駒込5-5-1 |
|---|---|
| 電話 | 03-3918-3502(染井霊園管理所) |
| 交通 | JR山手線巣鴨駅から徒歩10分 |
| HP |
👟👟染井霊園から、門と蔵のある広場へ
染井霊園を北へ進み、染井通りに出たら右折して、南東方向に進む。左手に蕎麦店を過ぎた角を左折し染井坂通りに入り100mほど進むと、門と蔵のある広場が右手にあります。
霊園を出て、染井通りを直進する。
蕎麦店を過ぎて左折し、染井坂通りを進む。
❺ 門と蔵のある広場MAP
歴史ある文化財を保存整備
豊島区が2009年旧丹羽家の邸宅跡を整備して開設した区立公園。広場には腕木門と蔵があります。腕木門は、江戸末期の建築と推定されます。染井通りをはさんで向かい側にあった津藩(三重県)藩主藤堂家下屋敷(染井屋敷)の裏門を移築したものともいわれ、豊島区指定有形文化財です。蔵は旧丹羽家の八代目茂右衛門が、1935(昭和10)年に九代目の結婚に際して木造土蔵造りの蔵を鉄筋コンクリート造りに建て直したもので、国の登録有形文化財建造物となっています。蔵は春と秋に一般開放されています。
ソメイヨシノが咲き誇る広場。左が腕木門で、右が蔵。(2026年4月初旬撮影)
江戸時代末期に建てられたと推定される腕木門。
旧丹羽家の住宅蔵。1935年着工の建物だが保存状態がよい。
門と蔵のある広場
| 住所 | 東京都豊島区駒込3-12-8 |
|---|---|
| 電話 | 広場の管理について:03-3981-0534(豊島区公園緑地課公園管理グループ) |
| 交通 | JR・東京メトロ南北線駒込駅から徒歩7分 |
Wakako’s PICK UP 2
| 染井地区はソメイヨシノの故郷です! このお散歩コースを取材して、日本の代表的な桜の品種「ソメイヨシノ」は、染井霊園や門と蔵のある広場がある地域で発祥したことを知ったのでご紹介します。この地域は江戸時代に染井(そめい)と呼ばれ、優秀な園芸技術を持つ植木屋が活躍していました。染井地区には、1657(明暦3)年の振袖大火の後、柳沢家下屋敷(現六義園)、藤堂家下屋敷、建部家下屋敷(現染井霊園)など広大な大名屋敷が配置され、これら屋敷の広い庭を手入れしていたのも染井をはじめとする近隣の植木屋たちでした。江戸時代末期に、染井の植木屋が売り出した桜の品種は、奈良吉野山の「吉野桜」と区別するために、明治30年代に染井の名を入れて「ソメイヨシノ」としたとされています。浮世絵にも染井の植木屋の様子が描かれており、染井地区は江戸の園芸文化の中心的役割を果たしていたようです。 |
染井坂通りにある駒込小学校の校門両側の「ソメイヨシノ」。 |
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👟👟門と蔵のある広場から旧古河庭園
門と蔵のある広場を出て、染井坂通りを右へ進みます。信号を渡ってさらに直進し、T字路を右折しすぐ左折し、さらに30mほど進むと本郷通りに出ます。本郷通り(都道455号)を右折し少し歩くと右手に旧古河庭園があります。
染井商店街を横断し、染井坂通りを直進する。
突き当りT字路を右折しすぐに左折。
広い本郷通りに出たら右折。
右手に古河庭園の門がある。
❻ 旧古河庭園
MAP
大正の粋を集めた洋館と和洋の庭へ
本庭園は、明治の元勲・陸奥宗光の邸宅でしたが、宗光の次男が古河市兵衛の養子となったことから古河家の所有になりました。武蔵野台地の斜面と低地がある地形を活かし、北側の丘には洋館、斜面には洋風庭園、低地には日本庭園を配しています。英国ルネサンス風の洋館と洋風庭園は、鹿鳴館の設計を手がけたイギリス人ジョサイア・コンドル(1852~1920年)の設計によるもの。日本庭園は、京都の庭師・植治こと小川治兵衛(1860~1933)の作庭によるもの。美しく調和する和洋の庭は、大正初期の庭園の原型を留める貴重なもので、「旧古河氏庭園」の名称で国の名勝にも指定されています。
バラやツツジが植えられているテラス式の洋風庭園から、小高い丘の上に建つ石造りの洋館を臨む。
幾何学模様に区画された洋風庭園には、約100種類200株ものバラが植えられている。春(4月下旬~6月下旬)と秋(10月中旬~11月上旬)には、バラのイベントを開催。「2026年春のバラフェステバル」は4月29日(水・祝日)~ 6月30日(火)。
洋館と西洋庭園の間の斜面には210本のツツジが植えられ、4月中旬~5月上旬の開花期に洋館を美しく彩る。
スレート葺きの屋根に、新小松石(安山岩)を用いた洋館「旧古河邸」の正面。館内は見学ができ、喫茶室やガイドツアー(要予約)もある。
日本庭園の中心にある心字池。風情ある大きな雪見灯篭が印象的。古い灯篭、見晴台、大滝などを回遊しよう。
日本庭園内には、お茶室があり、1服700円でお抹茶(干菓子付き)をいただける(詳細は大谷美術館HPを)。
旧古河庭園
| 住所 | 東京都北区西ヶ原1-27-39 |
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| 電話 | 03-3910-0394(旧古河庭園サービスセンター) |
| 休業 | 年末年始(12/29~1/1) |
| 入園料 | 150円(65歳以上は70円。小学生と都内在住・在学の中学生は無料)。 |
| 時間 | 9:00~17:00(入園は16:30まで) |
| 交通 | JR駒込駅北口から徒歩12分、JR上中里駅から徒歩7分 |
| HP | https://www.tokyo-park.or.jp/park/kyu-furukawa/index.html 洋館・お茶室については、大谷美術館HPへ |
👟👟旧古河庭園から駒込駅北口
旧古河庭園を出たら本郷通り(都道455号)を右へ、道なりに進みます。10分ほど歩くと右手にJR駒込駅北口があります。
門を出たら右へ。
歩道橋は渡らず、そのまま道なりに右方向へ進む。
本郷通りをさらに直進する。
駒込駅北交差点の横断歩道を渡ったところがJR駒込駅。
❼ 駒込駅北口 GOAL!MAP
JRなら北口、都営南北線なら4番出入口を利用するとよいでしょう。駅周辺には、桜が見られる公園や、国の特別名勝・六義園があります。
JR駒込駅北口。JR駒込駅の電車発車ベルは「さくらさくら」。
北口に隣接して東京メトロ南北線駒込駅4番出入口がある。
駒込駅北口に隣接する染井吉野桜記念公園も桜の名所。
桜のポストは、ソメイヨシノの故郷「駒込」ならでは。